戸田恵梨香「命を預かるってこういうことなんだ」
大泉洋が主演を務める映画「駆込み女と駆出し男」の初日舞台あいさつが、5月16日に丸の内ピカデリー1で開催され、大泉、戸田恵梨香、満島ひかり、キムラ緑子、内山理名、武田真治、原田眞人監督が登壇した。
同作は、国民的作家・井上ひさしの「東慶寺花だより」を原案にした時代劇。江戸時代の駆け込み寺を舞台に、離縁調停人が男と女のもつれた“愛の糸”を解きほぐし、訳あり女たちの人生再出発を手助けするという笑いと涙の人情エンターテインメントとなっている。
主演を務める大泉は「私が主演の映画の初日は、なぜか雨が降ります。そして何日か前に(きょうの)天気予報を見た時に、『うん。雨だな』と気付きまして、がくぜんとしましたけど、どうです? 晴れてますでしょう?
今映画を見ていただいたばかりだと思いますが、素晴らしい映画の余韻に浸っているところ本当に申し訳ない。その余韻を台無しにする私のトークがこれから始まりますので、トークも楽しんでいっていただければ幸いです」と、劇中では“草食男子”を演じる大泉が“らしさ”全開であいさつした。
これには満島も「大泉さんってマスコミさんが入ると急にイケメン調でしゃべりますよね(笑)」と指摘。間髪入れずに大泉は「ええ。戦いですから」と銀幕のスターのようなたたずまいで返答し、映画の余韻に浸る観客をあっさりと大泉ワールドに引き込んだ。
また、司会者から一番印象に残ったシーンについて聞かれた戸田は「印象に残る毎日だったんですけど、インして間もないころ、ひかりちゃんをおぶって、階段を上がるシーンがあるんですけど、石の階段なので、ボコボコしているんです。
足元がおぼつかない中、一人で歩くのも大変なのに、おぶっているので。『あ、人の命を預かるってこういうことなんだ』と思いました。かなり緊張したんですよ。絶対に離さないぞって思っておぶったんですけど、何度も何度もそのシーンをやったので、本番の時には足がガタついちゃって…。一歩上がるのも慎重になっているんですけど、監督のカットが遅くて!(笑)。まだか、まだかって思いながらやっていました」と苦笑いで、過酷な撮影の裏側を暴露した。
これには同じようにつらいシーンを撮ったという大泉も「そうそう、遅いだろ? この監督カット遅いんだよね」と同調。慌てて原田監督は「あれは、もう一歩行けば『助演女優賞だ!』って思いながら、心の中では頑張れって応援していたんですよ(笑)」とフォローしていた。
さらに、別の仕事でいなかった樹木希林から「この映画をハリウッドでやれば製作費は15倍に跳ね上がるでしょう。欲をいえば一生に一度でいいから私も男の人に心底追い掛けられてみたいものでございます。初日おめでとうございます」と、自由奔放で温かいメッセージが届いた。
最後、一斉に割る前に開いてしまうアクシデントがありながらも、舞台あいさつ恒例の“鏡開き”で締め、一同で作品の大ヒットを祈願した。
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