“ウラバラス”受賞にムロツヨシ「ダメでしょ、賞を渡しちゃあ」
TBS系で‘15年1月から放送されたドラマ「ウロボロス~この愛こそ、正義。」。生田斗真&小栗旬の熱演や、真相を追い求めるスピード感のある展開が評判を呼んでいたが、特に話題になったのが副音声としてドラマ撮影の裏側を語る“ウラバラス”企画。
ドラマの副音声解説放送は他ドラマでも試みがあったものの、同作では完全台本なし、キャラ関係なしのキャスト同士の仲の良さがうかがえる爆笑トークが「ドラマの内容が全く入ってこないくらい面白かった」と話題を集めた。
第84回ザテレビジョンドラマアカデミー賞では、この“ウラバラス”をザテレビジョン特別賞に選出し、“ウラバラス”の中心人物・ムロツヨシに話を聞いた。
――まずは受賞の感想を教えてください。
「ウロボロス―」じゃないですよね? 確認したら、“ウラバラス”が取ったっていうから半笑いで来てますよ、取材に。ダメでしょ、賞を渡しちゃあ(笑)。放送終わってから各所からクレームがありましたから。「あれ見ちゃったばっかりに本編全く入ってこない」っていう、テレビでやっちゃいけない、懸念した通りの反応が返ってきてるから(笑)。本編ファンの人は途中から(副音声)消したって言ってましたね。(副音声は)後で聞くものだと気付いて。僕らも2回目、3回目のウラバラスのときには、ちゃんと冒頭あたりで言うようにしてましたからね。「これは聞くものじゃない、本編見てほしい」と(笑)。
――(笑)。この企画が始まったきっかけは何だったのですか?
きっかけは僕みたいに思われてますけど、佐野亜裕美Pです。役柄のまま予告を作って、その延長線上で副音声を、という流れだったと思います。僕は名付け親なだけで、生んだのは僕じゃないです。「ファーストクラス」('14年フジ系)や昨年末の「NHK紅白歌合戦」でも副音声が話題になったじゃないですか。話題作りとして、僕以外の2人(生田、小栗)もやってみようか!みたいな軽い気持ちでしたね。
――爆笑の“ウラバラス”はどのように収録していったのでしょうか?
“ウラバラス”の初回は、リハーサルも何もなく、ふざけちゃって、半分ぐらい録り終えたときに、3人とも「ヤバイぞ、これ…」っていう空気がスタジオに流れて。「これは流せないだろ」「ジャッジが下って流さないんじゃないか」という空気になって…。だから終わったあと、3人ともちょっと元気なかったんですよ、これはダメだと。手応えもないし。
――でも、すぐに大きな反響がありましたね?
そうなんです。まさかの反響があって。その反応を聞いた次の収録が、またいやらしいもので。僕らも評判良かったというのを知ってるもんだから、今度はちょっと調子に乗っちゃったんです(笑)。その日は終わってから反省会が始まりましたね。「きょうダメなのは評判いいっていうのが分かっているから、変な調子の乗り方した」「うけを取りにいってる」「視聴者側に付き過ぎ」みたいな感じで反省して、ちょっとリアルなエンターテインメント感がでてきて(笑)。その反省も生きなかったのですが(笑)、その後は(吉田)羊さんとか(吉田)鋼太郎さんが来てくれたから、その分、いい感じにもなったと思います。
――“ウラバラス”のおかげで、皆さんの仲の良さが伝わりました。
“ウラバラス”では、小栗くんが一番元気なんですよ。やりがいを感じてるというか、サービス精神旺盛だし、俺がやんなきゃいけないという責任を感じているのか、すごいボケたり、しゃべるんですけど、そこまでしゃべんなくていいことまでしゃべったりするので。話す内容について細かいオーダーはしてないんですよ。引っかき回すのは小栗さんが多かったんじゃないですかね。僕はあの2人がばーっとどこか行っちゃったときに戻す役割だっただけで、時には僕も一緒に。日常もそんな感じです。小栗くんが楽しくなっていって、斗真がそれにいつの間にか乗っていって、僕の方が静かです、どっちかといえば。あの2人が酔っぱらうまでいっぱいしゃべる係かもしれないです。ウラバラスそのまんま(笑)。
――最後に“ウラバラス”から得たものはありますか?
裏話というのはこんなにみんなが聞きたいんだなと思いましたね。映画やドラマでもメーキングというのは存在しますけど、本人たちの言葉だと、衣装1つ、髪型1つ、撮り方1つまで、結構、みんな興味を持ってくれるんだなと思いましたね。副音声を聞いたら、次がまた楽しみになって、次のオンエアを見るって思ってくれることは、とてもいいことだなと思います。結局、見ている人が何に興味を持っているか、それに応えるという意味では、本編以外にやってもいいのかも。ふざけ過ぎたという反省もしてるけど、“ウラバラス”をやってよかった部分は本当はそこにあるのかもしれないです。
※5月20日(水)発売の「週刊ザテレビジョン」21号にて、第84回ザテレビジョンドラマアカデミー賞の結果を発表。最優秀作品賞など他部門を受賞した俳優、スタッフの受賞コメントも掲載しております。また、ザテレビジョン公式サイト「Smartザテレビジョン」でも結果を確認できます。Smartザテレビジョン限定動画も公開中。
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