是枝裕和が語る「海街diary」秘話!女優らの意外な素顔も?
「誰も知らない」「そして父になる」などを手掛けた是枝裕和監督の最新作「海街diary」が6月13日(土)から全国劇場にて公開される。本作は吉田秋生の同名漫画を実写化。神奈川県・鎌倉を舞台に、綾瀬はるか、長澤まさみ、夏帆、広瀬すずらが演じる4姉妹の共同生活を穏やかに描く。是枝監督が原作者とのエピソードや出演者らについて語ってくれた。
――映画化にあたり、原作者とはどのようなお話をされたのでしょうか。何か要望はありましたか?
「“是枝版『海街diary』”にしてください。それで結構です」という非常に寛大なお言葉を頂きました。ただ、鎌倉の四季を大切に撮って頂きたいということと、漫画に登場してこないアライさんという看護師は出さないでほしい、ということだけは言われました。不在の人間が重要な物語なんだと理解しました。
――「海街diary」で新たに試みたことは?
基本的に、いつも新たな試みはしています。血は繋がっているけど、それぞれ違うキャラの4姉妹をどう描き分けるか、それぞれが違う思いを持ってあの家にいるから、共通点と相違点を意識しながらこの4人をどう描き分けるかという事が、今回の一番のチャレンジです。
――綾瀬はるか、長澤まさみ、夏帆、広瀬すず、女優陣それぞれの印象は?
綾瀬さんは、あんなに綺麗な肌の人はいないんじゃないかな。撮影時もすっぴんに限りなく近いメイクでしたが、神々しいくらいに輝いていました(笑)。長女と次女の対比でストーリーが進んでいくので、それぞれを違う方向性に、長女らしさと次女らしさというものをどう出すかというのが面白くもあり、難しかったところです。
長澤さんは本当にスタイルが良くて。長女はターミナルケア(終末医療)との関わりで、どうしても死にとらわれていく存在なので、次女はより生の方へ、エロスの方の役割を担ってもらっているため、なるべく彼女の手足の長さを生かすような撮り方をしています。本人にも言いましたが、すごく綺麗な肩甲骨をしていて(笑)。外見のことばかり言ってますね(笑)
夏帆さんは、中心にいないけれど非常に存在感があって、画面の中心から少しずれた所にいる姿がとても素敵でした。僕がシーンの中で撮りたいと思っているものに対して、その中で自分がどう振舞うべきか、ということを言わなくても分かっている人だと思います。そういう意味において、彼女は“映画女優”でした。すごく助かりました。あとは、あの見事な食べ方が良かった(笑)
広瀬さんは文句なしです。これからも色々な作品と出会って成長していって、すごい女優になるだろうと期待しています。本作に関して言えば、出会うべくして出会っていると思うし、女優が女優になっていく上で出会わなければならない作品との、”出会うべきタイミングでの出会い”に立ち会えたことを非常に嬉しく思います。
――TVドキュメンタリーの時代から現在まで、一貫して持ち続けているものは?
自分では全然分かりません(笑)。色紙に座右の銘を書いてくれと言われた場合、どうしても書かなければならない時には“座右の銘を持たないこと”と書きます。何か起きた時に対応する、ということだけで生きてきています(笑)。言葉に縛られないように、なるべくそういうものは持ちたくないなと思っています。
BS日本映画専門チャンネルでは6月6日(土)と13日(土)の2週連続で是枝監督作品と綾瀬ら4姉妹を演じた女優陣の出演作を一挙放送する。14日(日)夜9時から放送の「そして父になる」では是枝監督をゲストに迎えてのトーク番組も放送されるので、こちらも必見だ。
6月6日(土)夜11:00から8日(月)朝7:00、
6月13日(土)夜11:00から15日(月)朝6:20まで
BS日本映画専門チャンネルにて放送