「みんな！エスパーだよ！」柾木玲弥はカメレオン俳優
「みんな！エスパーだよ！」(‘13年、テレビ東京系)や「デスノート」(日本テレビ系)など、話題作に次々と出演して注目を集める若手俳優・柾木玲弥(まさき・れいや)にインタビューを敢行。
9月4日(金)に公開される映画「みんな！エスパーだよ！」の現場でのエピソードや見どころに、そして俳優・柾木玲弥のアピールポイントについて聞いた。
――エスパー・矢部を演じられた感想を教えてください。
園子温監督の演出を受けられたのがうれしかったです。あらためて監督はすごい方だなって思いました。いいと思ったことはその場その場で取り入れる。例えば、教授(安田顕)の家はそろばん教室で撮影していたのですが、普通ならロケ場所がそろばん教室ってバレないようにするじゃないですか？ それなのに、あえてそろばんを劇中に取り入れましたからね。
プロデューサーさんに「そろばん教室の先生の役をやって！」と急に振って、プロデューサーさんが突然そろばんの先生のように「●●円な～り～」と演技して、生徒役に子供のエキストラも入れて(笑)。その前ではエスパーたちがシリアスな演技をしているという。冷静に考えたらおかしなことですけど、それが成立しているのは作品の力なんじゃないかなと思います。
――園監督の現場ってそういうことをいつもするんですか？
そうですね。今回は監督のアイデアもそうですが、出演者たちもアドリブというか、ちょっと普通とは違う感じでアイデアを出して演技をしています。それを生かすか生かさないかは監督が決めますが、自由度が高い現場でした。
――そんな中で矢部くんはどういうふうに自由に演じましたか？
ドラマではいろんな意味で何も考えずにやっていましたが、映画では自分を主張しようって思いました。劇中でエスパーがPVを撮影している様子を撮る撮影があったんですけど、その時にそれぞれポーズを決めて撮りました。周りに「柾木もやれよ」って言われてやったのが、ポスターのポーズです。あえてすごく格好をつけてやりましたけど、そこが僕の自由にやらせていただいたことの一つです。
――映画のホームページには「三河弁が慣れてきた」って書いてありましたが、慣れました？
慣れたと言いたいところですが、いかんせんせりふが少なくて…。深水(元基)さんには「ギャラ泥棒！」って言われました(笑)。「本当におまえは何も苦しんでいないのにギャラだけもらって」って。だから途中で深水さんの演出を僕がするということもありました。「おまえはせりふを覚えなくていいんだから俺の演技を試しにやってくれよ」って言われたので、やってみようと。僕もあまり喋らない矢部の役でストレスというか、鬱憤(うっぷん)のようなものがたまっていたので、深水さんのシーンを伸び伸びとやったんです。高橋メアリージュンさんやサヘル・ローズさんに英語で話し掛けるけど、全然伝わらないという芝居を(笑)。それを深水さんも気に入ってくれて現場で使っていたと思います。演出としてスタッフクレジットを入れてほしいくらいです(笑)。
――セクシーなシーンが満載ですけど、現場で恥ずかしい思いをすることは？
いえ、もう慣れちゃいました。男女問わず皆さん慣れていますしね。平野美由紀役の池田エライザさんは今作で初めて参加しましたけど、撮影二日目とかくらいからもう慣れてきたのだと思います。何といってもパンチラが当たり前というか、それ以上のことも…という映画なので。それより矢部の股間が熱くなるシーンで、後ろから木の棒を突き出して熱くなっているように見せるんですけど、あれが怖くて怖くて(笑)。監督ももっと勢いよく勢いよく！って助監督さんに言うので、結構スレスレな位置に棒が出てくるので、大変でした。
――それは怖そうですね…。
本当に怖いんですよ。棒ですからね。そういう棒を後ろから突き出すところとか、街中で撮影していたら、ギャラリーの皆さんもちょっとビックリしていました。この現場はアダルトグッズがいたるところに普通に転がっているので、ビックリすると同時に面白いですね。
――いろいろなシーンを苦労しながら撮っているんですね。
でも、染谷将太くんいわく、映画はかなりスケールアップしているみたいです。今までは机で股間が熱くなるシーンとか、手で“ボン！”と机を動かしてそう見えるように演出するんですが、映画ではCGを使って机が飛ぶ演出をしているらしくて、その辺のスケールは上がっています。
――自分がもしエスパーならどんな能力が欲しいですか？
能力は欲しいですが、エスパーは根本的に童貞じゃなきゃいけないですから…それはイヤだなあ(笑)。エスパーになってもみんな欠点があるから、仮の話だとしても悩みますね。心の声が聞こえるのはつらいですし、エロイものしか動かせなかったり、瞬間移動は服がついてこなかったり、それだったらない方がいいかなと思います。
――あらためて、映画「みんな！エスパーだよ！」の見どころを教えてください。
お芝居が面白いですとか、園監督の演出が面白いです、だけでなく演じている皆さんがそれぞれ今をときめく人たちということがポイントです。入れていただいて光栄です。それで何が面白いかといえば、エスパーの力や空気感かなと思っています。この現場は何十年に一度しか見られない虹が見られたり、いろんな奇跡が起こっていたりして。マキタスポーツさんも「不思議な現場だな」とおっしゃっていましたし。
本人たちは全力なんですけど、端から見たら何をやっているんだっていう、バカバカしいことを本気でやる作品ですが、でも何かを感じてもらえると思います。今回は笑いあり、涙あり、いろいろあります。童貞高校生の熱い思いを描いた作品を楽しみにしていてください。
――では最後に、自己PRをお願いします。
仲の良い俳優や、周りの方々に「柾木はいろんな役をやるよね」って言われます。先日ある雑誌で、マネジャーが僕のいいところについて「毎回色が変わる・カメレオン俳優」と載せていて、確かにそうかもしれないなと思いました。役者としてそうなりたいというか、それが強みなのかなと思います。
でも、せっかくなら自分がこの役をやったらから面白いんだという役をやりたいですね。極論ですが、「この役をやったら僕より上の人はいない」という役に出会いたいです。一つの役で一生メシが食えるというか。あと、僕って見た目は結構クールに見られがちなのですが、結構ポップで楽しい感じも好きですし、どちらでもいけます。いろいろな顔を持つところが僕の強みだと思います！
この記事はWEBザテレビジョン編集部が制作しています。
9月4日(金)よりTOHOシネマズ新宿ほか、全国ロードショー
