KADOKAWA Group
2011年3月30日スタート 毎週月曜夜10:25/NHK Eテレ
第4回は、仁木の創造行為や最後の選択から、「自由」について考察する。子宮外妊娠した女が入院のため外へ運び出された際、村の外へ脱出できる縄ばしごが掛けられたままになっていた。だが、仁木は逃げなかった。仁木の選択の意味とは何か、そして現実社会から失踪した彼は自由を得たといえるのか、改めて考える。
第3回は、過酷な環境に順応していく仁木の姿を通して、「何かに帰属しなければ生きていけない人間のさが」について考える。3度目の脱走も失敗した仁木は、徐々に環境に順応しはじめ、砂との闘いや手仕事にも充実感を覚えるようになる。砂丘の村で生きていくことを受け入れようとする仁木の心境の変化に迫る。
第2回は、「砂の女」で象徴的に描かれた「アイデンティティーの揺らぎ」を読み解く。女の家で一夜を過ごした仁木は、翌朝村人らに幽閉されてしまう。自由になる気のない女にもいら立ちつつ、仁木は脱出や抵抗を試みるが挫折してしまう。「砂の女」から、自由への拘泥が逆に人間を束縛するという逆説について考える。
安部公房の小説「砂の女」を取り上げる。第1回は、人柄や「砂の女」の執筆背景を紹介。教師・仁木順平は、女が一人で住む家に一夜の宿を借りる。砂丘に埋もれかかった家で繰り返されるのは、ひたすら砂をかき出す単純労働だった。筆者が書こうとした自由への憧れとそれを阻害するものを考える。朗読は町田啓太。
あらゆる分野の学問の基礎を確立し、万学の祖と呼ばれる哲学者・アリストテレスが史上初めて倫理学を体系化した名著「ニコマコス倫理学」を読み解く続編。職場や学校に適応できず人生に悩む人が多い時期に、幸福や生き方を深く考察する名著を読解し、現代に通じるメッセージを掘り起こす。小林聡美が朗読を担当する。
第2回は、幸福な人生の実現へと導いてくれる実践的な指南の書として「ニコマコス倫理学」を読み解く。誰もが「幸福になりたい」と願う一方で、実際に幸福になるのは容易ではない。今回は「ニコマコス倫理学」から社会的生活と観想的生活という幸福の二類型を知り、真に幸福になるための堅実な道筋を理解する。
第1回は、初めて倫理学を体系化したアリストテレスの「ニコマコス倫理学」を通じ、倫理学とは何かを考える。「倫理学」と訳されているギリシャ語の語源は「人柄に関わる事柄」という意味だという。どのような人柄を形成すれば幸福に生きられるかを説く「ニコマコス倫理学」から、倫理学を学ぶ意義について考える。
ナチスに加担したマルティン・ハイデガーに足りなかったものを考究。ハイデガーはフライブルグ大学の学長就任演説でナチスへの支持を表明。人間の「本来性」を追求したハイデガーだが、ハンナ・アーレントは彼には「公共性」が欠落していたと指摘。哲学者が考え抜いた「存在と時間」の限界を乗り越える方法に迫る。
第3回は、「死への先駆」「決意性」といった概念をひもといていく。人間はいわば他者と交換可能な存在として生きているが、「死」と向き合うことでそれぞれがかけがえのない個人であることを実感し、1回限りの人生を選び取る決意ができるという。人間が自分らしい生き方を取り戻すには何が必要なのかを考える。
第2回は、「不安」について深掘りする。人生は多様な可能性に開かれていると同時に、「不安」をもたらしもする。だが、マルティン・ハイデガーは、この「不安」をきっかけに、本来的な生き方に覚醒できるのだと説く。私たちはなぜ「不安」に陥るのか、そしてなぜ「不安」から目を背けようとするのかを明らかにする。
最終回は、“世界初の推理小説”「モルグ街の殺人」を読み解く。パリの密室で、母と娘が殺される事件が発生。この謎を解明するため、世界文学史上初の名探偵・デュパンが登場。彼が告げた犯人像には、当時アメリカ南部を席巻していた黒人差別の状況が反映されていた。人種差別問題や資本主義に潜む根深い問題に迫る。
第3回は「黒猫」を読み解く。アルコールの痛飲により精神をむしばまれた男は、飼っていた黒猫を発作的に殺してしまうが、その猫の呪いを受けるかのように破滅していく。禁酒運動が盛んだった時代のアメリカで執筆された同作から、抑え付けるほどゆがんだ形で噴出してしまう欲望の恐ろしさについて考察する。
第2回は、「アッシャー家の崩壊」を取り上げ、執筆背景と合わせて掘り下げる。“ゴシック風ホラーの傑作”と称される同作は散文と詩が融合した作品で、雑誌編集者としてさまざまなジャンルを横断し続けたポーを象徴するような物語。そんな新たな文学表現の可能性を切り開いた、ポーの創造力の秘密に迫る。
第1回は、ポーの人生と創作過程を象徴する「アーサー・ゴードン・ピムの冒険」を読み解く。SFの起源の一つともされる同作の主人公・ピムは、冒険心を抑えきれず捕鯨船に潜み密航する。多くの壁にぶつかる旅自体がポーの人生と重なる同作を通じ、「ポーにとって文学とは何か」という根源的なテーマを解き明かす。
第4回は、日蓮の「死生観」を通じて病や死とどう向き合っていけばいいのかに迫る。日蓮の提唱した「生死不二」という考え方によると、波が生まれたり消えたりしても海そのものは変わらず存在するのと同じように、生も死もその時々の現れ方に過ぎないという。そこで、真の意味で人生を全うすることについて考える。
第3回は、日蓮が女性たちの心に寄り添って書いた手紙を通して、弱い立場の人々に寄り添うことの大切さを考える。日蓮は、当時不浄のものとして差別されていたことで自己卑下しがちな女性たちに、法華経に説かれる「女人成仏」の原理を丁寧に説明。女性こそ救われるべき存在と力づけていた日蓮の思いを読み解く。
第2回は、日蓮の深い人間洞察を通して、職場や家族関係での苦悩や葛藤など厳しい現実を生き抜く知恵を学ぶ。日蓮は法華経への信仰を重んじながらも、なすすべのない障害にぶつかった人に対し、それぞれの状況を分析して、その人がその立場で生かされる解決法を指導。そんな日蓮の教えを植木雅俊氏が解説する。
第1回は、日蓮の生涯や人となりを紹介しながら、彼の深い人間観、人生観に迫る。命の絶対的平等性と尊厳性を擁護する「法華経」こそが末法の世の庶民を救う経典であると確信した日蓮。支配層には不都合な教えであり布教すれば迫害されることを知りつつ、法華経の行者としての生涯を貫いた彼の思想を明かす。
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2024年11月24日18:00
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