弱虫ペダル LIMIT BREAKのあらすじ一覧
真波とのバトルに勝利し、先頭を走る坂道と今泉に合流を果たした鳴子。ドリームだと思っていた“3人でゴール”という約束に近づき、胸が高ぶる坂道。しかし、ここまで真波や新開と勝負してきた鳴子の体力は限界が近づいていた。後続の箱根学園は、黒田が猛烈なスピードで追い上げ、後ろの御堂筋もゴールを目前としたこの下りで、一気に勝負を仕掛けてくる。ハイスピードなダウンヒルで熾烈(しれつ)な先頭争いが始まった。
突然の京都伏見の襲来にかき乱されるゴール争い。先頭を追う御堂筋を止めるため、新開悠人が立ちふさがる。いつも強気で飄々(ひょうひょう)としている新開だが、積み重なる勝負と重圧で限界に近付いていた。今までの自分だけ勝てばいいと思っていたレースから、箱根学園のジャージに勝ってほしいという思いに変わった新開。覚悟を決めて走るその姿を見ていた小鞠は、理屈を超えた新開の“にく”に興味を奪われていく。
最終ゴールに向けて動き出した総北と箱根学園。クライマーの新開が登りのアタックで加速する中、オールラウンダーに転向した鳴子も、鋭い登りで対抗する。手嶋が奇跡の山岳賞を取り、勢いに乗る総北。手嶋から最後のオーダーを託された坂道たちは、全力で前に進む。しかし、総北と箱根学園の2チームに絞られたかに見えたゴール争いは、後方からひそかに機会をうかがっていた第3の脅威、京都伏見の登場によって混迷を極める。
互いに一歩も譲らない、熾烈(しれつ)な山岳賞争いを繰り広げていく手嶋と葦木場。しかし、葦木場に必死で食らいつく手嶋の脚は既に限界が近づいていた。ロードレースでは平凡な実力といわれた手嶋だが、一歩一歩努力する、実力を超えて無理をする走りこそ自分の必殺技だと信じ、ペダルを回す。その熱い走りを見た観客から“手嶋コール”が沸き起こり、葦木場からもその強さを認められた手嶋は、予想外の才能を開花させる。
インターハイ最終日の山で、山岳賞を懸けた勝負を手嶋に持ち掛ける葦木場。小学生の頃、転校生だった葦木場は、音楽を通じて手嶋を仲良くなり、中学の時には同じ自転車部で走っていた。レースでなかなか結果を出せない二人だったが、手嶋は密かに葦木場の中に眠る才能に気付き、山岳賞を取らせたいと考えていた。しかし、手嶋と一緒に走れるだけで楽しいと感じていた葦木場は、その気持ちに気付けないまま、二人はすれ違ってしまう。