ザテレビジョンがおくるドラマアカデミー賞は、国内の地上波連続ドラマを読者、審査員、TV記者の投票によって部門別にNo.1を決定する特集です。

最優秀作品賞から、主演・助演男女優賞、ドラマソング賞までさまざまな観点からドラマを表彰します。

第114回ザテレビジョンドラマアカデミー賞脚本賞 受賞インタビュー

撮影=山田大輔

三谷幸喜

最終回のラストシーンはちょっと冒険でした

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脚本賞を頂けたのはもちろんうれしいですが、「鎌倉殿の13人」が評価されたのは、演出チームをはじめとした優れたスタッフの皆さん、そして俳優陣、そしてそれをまとめていくプロデューサーの力が大きかった気がします。チームが一丸となって「これまでにない大河を作るんだ」という高い志の下、頑張った成果。僕はその設計図を書いただけのこと。だから作品賞を頂けたことが何よりもうれしい。皆さん、脚本を褒めてくださるけど、あの時代が面白かっただけのことですからね。

鎌倉幕府の草創期はあまりドラマで描かれることは少ないから、視聴者の皆さんにとっては、先の読めないストーリー展開になったのが良かった気がします。僕としては反省も多いです。3度目だというのにまだまだ僕にとって大河は難しい。向いてないのかも。もう一度書かせてもらえたら、今度こそ満足いくものが書けるような気がするんだけど、どうなんだろう、さすがにもうないかなあ。

小栗旬さんは主演が決まったときから、彼なら北条義時の青年期から晩年まで完璧に北条義時の人生を演じられると僕は確信していました。ご本人は特に後半、どう演じればいいのか悩んでらっしゃったみたいだけれど、僕に不安はなかったですね。

最終回のラストシーンはちょっと冒険でした。あんな終わり方をするドラマってあんまりないでしょう。演じる2人もプレッシャーだったと思う。でも1年間演じ続け、とことんまで役を深めていった小栗さんと小池栄子さん(政子役)に、2人でなければ到達しない場所に行ってほしいという思いがありました。脚本家からのお礼です。

僕には「真田丸」(2016年)のオンエアの前に生まれた息子がいるんですが、父親になって学ぶことはとても多い。「鎌倉殿―」が家族の話、北条家ファミリーの物語になったのは、僕自身の生活が変わったという要因は大きいと思います。

実はこのドラマアカデミー賞の第1回の脚本賞も僕なんですよ。脚本家と自称している割には、書いている本数はかなり少ないんですけど、その分、打率は高いと思います。ありがとうございました。

(取材・文=小田慶子)
鎌倉殿の13人

鎌倉殿の13人

小栗旬主演で、武士の世を盤石にした男・北条義時が頂点に上り詰めていく姿をドラマ化。鎌倉幕府将軍“鎌倉殿”源頼朝(大泉洋)を支えた13人の家臣団が、頼朝の死後繰り広げる激しい内部抗争、権力の座を巡る駆け引きを描く。脚本は大河ドラマ「新選組!」(2004年)や大河ドラマ「真田丸」(2016年)を手掛けた三谷幸喜が担当する。

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