ザテレビジョンがおくるドラマアカデミー賞は、国内の地上波連続ドラマを読者、審査員、TV記者の投票によって部門別にNo.1を決定する特集です。

最優秀作品賞から、主演・助演男女優賞、ドラマソング賞までさまざまな観点からドラマを表彰します。

第98回ザテレビジョンドラマアカデミー賞助演男優賞 受賞インタビュー

撮影=カノウリョウマ

佐藤健

鈴愛と律のシーンをもっとやりたかった

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「半分、青い。」は、基本的に自分が用意していったもので芝居をさせてくれる現場でしたが、朝ドラ独特の撮影スタイルは新鮮さと同時に難しさも感じました。一日に撮る量が多くて、カメラが回ったら一シーンは基本最後まで長回し。そして、ほとんどが一発OK。このスピード感は他の現場にはないものでした。
律を演じる上で大切にしたのは、力を抜くことかな? 気取ったり、こう見せようと考えたりせず、力を抜いて現場にいることを心掛けていました。律は感情があまり表に出ない人…(豊川悦司演じる)秋風先生のことは「変な人だな」と思っていたでしょうけど(笑)。思慮深いのでいろいろ考えているけど、それが表からは見えづらい。「捉えどころのないところが逆に良かった」という声もあったそうですが、僕もそういった部分が律の魅力だと思っていたので、そう言っていただけてうれしいです。
すてきなシーンはいろいろありましたが、僕が一番グッときたのはやはり、鈴愛(永野芽郁)と律のシーン。ボケとツッコミみたいなやりとりは演じていて楽しかったし、そういう関係性は律にとって鈴愛だけ、鈴愛にとっても律だけだった。それを経験できて良かったなと思うと同時に、もっとやりたかったなとも思います。
共演した永野さんは難しいシーンの撮影前に「やだー」と言っていても、本番ではみんなの想像を超える芝居をしてくる人。でも、現場全てが彼女を頼りに進んでいたので、とても背負うものが多かったと思うんです。鈴愛が悪く見えないようにしたかったので、僕は役者としての経験が多い分、思うことがあったら何でも彼女と話すようにしていました。僕は脚本を最初に読んだときから鈴愛のことが好きでしたし、全ての登場人物をいとおしい気持ちで見ていて、それが最後までやり切るモチベーションになっていました。ですから、初めての朝ドラが「半分、青い。」で良かったなと思いますし、鈴愛と律で本当に良かったなと思います。

取材・文=及川静
半分、青い。

半分、青い。

北川悦吏子脚本のオリジナル作品。ヒロイン・鈴愛(すずめ)が高度経済成長期からバブル期、そして低成長時代へ、幾多の失敗にもめげずに七転び八起きの人生を駆け抜ける姿を描く。岐阜・東濃地方の町にある小さな食堂に生まれた鈴愛は、毎日野山を駆け回る元気な小学生だったが、ある時片耳を失聴してしまう。

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