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「エール」だけじゃない!“朝ドラと野球”の深い関係とは?複数作でドラマの鍵やエッセンスに

2020/10/31 08:10

「エール」第100回より
「エール」第100回より(C)NHK

2020年度前期の“朝ドラ”こと連続テレビ小説「エール」(毎週月~土曜朝8:00-8:15ほか、NHK総合ほか)。第20週「栄冠は君に輝く」は、文字通り全国高等学校野球大会の歌「栄冠は君に輝く」にまつわるエピソードが描かれた。今回は朝ドラと甲子園や野球の関係について、フリーライターでドラマ・映画などエンタメ作品に関する記事を多数執筆し「みんなの朝ドラ」(講談社)などの著作もある木俣冬が解説する。(以下、一部ネタバレが含まれます)

裕一のモデル・古関裕而は巨人・慶応の応援歌も作曲!

「エール」第100回より
「エール」第100回より(C)NHK

第20週「栄冠は君に輝く」は、裕一(窪田正孝)が甲子園の歌「栄冠は君に輝く」を作曲し、親友・久志(山崎育三郎)が歌い、戦時歌謡に関わった罪悪感から救われた。

この歌の作詞家・多田良介(モデルは加賀大介)役で、元巨人軍選手・寺内崇幸が出演し、注目された。

エール」が通常のスケジュールで放送されていたら、このエピソードはちょうど高校野球大会の頃だったのかもしれないが、今夏は、甲子園の大会自体がコロナ禍によって休止となり、朝ドラも高校野球大会もない夏になった。

1915年からの長い歴史をもつ高校野球大会は、太平洋戦争中、1941年〜45年まで中止となって以来、79年ぶりの大会のない夏だったということで、戦後復興を歩む「エール」の主人公たちの、どん底から這い上がり、未来ある若者たちを応援しようという気持ちが、強い実感を伴って画面から伝わってくるようだった。

100回で、裕一の娘・華(古川琴音)が目下、気になっている野球少年・竹中渉(伊藤あさひ)への思いが募るあまり野球の勉強をしているという微笑ましい場面があった。そこで彼女は父・裕一が、早稲田大学の応援歌「紺碧の空」の作曲も手掛けていたと知る。

妻の音(二階堂ふみ)は、「ああ見えて野球に縁があるのよね。大阪タイガースの歌も、早稲田大学の歌(紺碧の歌)もお父さんが作ったし」と娘に教える。音の実家も馬具製品を軍に卸していたが戦後は、グローブ製作に職替えしているので、家族ぐるみで野球と縁が深い。

裕一のモデルで昭和を代表する作曲家・古関裕而は阪神、早稲田のみならず、巨人、慶応大学の応援歌も作るという幅広さ。ついでにいえば、中日ドラゴンズの応援歌も手掛けている。

ドラマのなかで大阪タイガースの応援歌「六甲おろし」ができたときは、元阪神タイガース選手の掛布雅之が、裕一に作曲を頼んだ関係者役でゲスト出演していた。掛布が朝ドラに出るのは、これで二度目。

最初は、将棋の世界を描いた「ふたりっ子」(1996年度後期)に掛布本人役で出て、視聴者を喜ばせた。阪神だけでなく巨人から原辰徳も出演、さらに将棋士の役でヤクルトの古田敦也も出演したが、ドラマの舞台は大阪で、ヒロインのお父さんは大の阪神ファンとして描かれていた。

下に続きます
連続テレビ小説「エール」
毎週月~土曜朝8:00-8:15ほか
NHK総合ほか

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エール

出演者:窪田正孝 二階堂ふみ 薬師丸ひろ子 菊池桃子 光石研 中村蒼 山崎育三郎 森山直太朗 佐久本宝 松井玲奈 森七菜 柴咲コウ 風間杜夫  ほか

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