「MIU404」野木亜紀子氏 今後も『描きたいものに合う枠で書きたい』<ドラマアカデミー賞・インタビュー後編>
今後書きたいものは?「SFはまだあきらめていませんよ」
――公開中の映画「罪の声」や「逃げるは恥だが役に立つ」のスペシャルドラマ(2021年1月放送予定、TBS系)もあり、1月クールでは「コタキ兄弟と四苦八苦」(2020年テレビ東京系)でも脚本を担当されました。多忙な1年だったのではないですか。
今年はもう一瞬で過ぎ去りました。ですから、「次回作の予定は?」と聞かれても「ちょっと休みたい」というのが正直なところ。本当にこの3年、いや6年ぐらいの間、ずっとこんな感じなんですけれど、先輩の脚本家さんたちは連続ドラマもどんどん書くし、脚本以外の活動までされている方とか、すごすぎますよね。私なんて脚本だけで手一杯で、休みたいとか言っているのに。
――脚本家のひとつの到達点としては、NHKの朝ドラや大河ドラマを執筆するというのもありますが、野木さんはまだ書いてらっしゃらないですね。
半年や1年にわたる帯ドラマも、その長さを使って書きたいことが見つかればやってもいいけれど、それがなければ書こうとは思わない。もしやっても息切れするだけだと思うんですよね。やる気が感じられないものを長く見せられる方も苦痛だろうし。枠のステイタスよりも、描きたいものに合う枠で書いていきたいです。
――最終回前のインタビューでは「次はSF(サイエンス・フィクション)を書きたい」という話もしてくださいました。最終回で2パターンの未来を描いたこともSF的な手法だったのでしょうか。
あの最終回とは違うものですが、SFはまだあきらめていませんよ。この数年また、タイムスリップ設定のSF作品がヒットしているけれど、私の年代としてはもう既に何度も見てきたパターンなので、これから、それ以外の未知の何かを探す旅に出たいです。
(取材・文=小田慶子)