朝ドラ名物“いじめキャラ、”時代に合わせ“実はいい人”に変化「おちょやん」千鳥「半分、青い。」秋風など振り返る
“朝ドラ”こと連続テレビ小説「おちょやん」(毎週月~土曜朝8:00-8:15ほか、NHK総合ほか※土曜は一週間の振り返り)第6週「楽しい冒険つづけよう!」では主人公・千代(杉咲花)が京都で、山村千鳥一座に入団し、主役の座を射止める。そこに至るまでの道のりは過酷で、座長・千鳥(若村麻由美)はなぜか千代に「いやがらせ」をし続けた。朝ドラ名物“ヒロインに意地悪するキャラクター”について、フリーライターでドラマ・映画などエンタメ作品に関する記事を多数執筆する木俣冬が、「おしん」「半分、青い。」「おちょやん」などを振り返りつつ、その変遷を解説する。(以下、一部ネタバレが含まれます)
「おちょやん」では座長・千鳥が千代にいやがらせ
「おちょやん」第6週のサブタイトル「楽しい冒険つづけよう!」は、千代が急遽、代役で主役を演じた「正チャンの冒険」で、本番中のアクシデントを乗り越えるためとっさにアドリブで放ったセリフ。これが観客に好評で、千代の初主演作は大成功となった。だがそこに至るまではいろいろと大変なことがあった。なにしろ、座長の千鳥がこわい。演技のことをほぼ何も教えてくれず、劇団員に怒鳴ったり、ものを投げたりするばかり。
ど新人の千代は、四葉のクローバー探しや、新聞の誤植探しなど雑用をやらせて稽古の時間がとれないように「いやがらせ」されていた。結局、その「いやがらせ」は本当のいやがらせではない部分もあったようで、千代の役に立つこともあったのだが、物語によくある、実は特訓だったという明確な狙いがあったというわけでもなく、千代が自力で成長と成功を勝ち取ったという印象。
千鳥は、過去に辛い目にあい、世間に対して心を閉ざした陰キャになっていたが、千代のどんなときでも前向きな生き方を見て、心を入れ替える。