<監察医 朝顔>後半戦へ突入! 上野樹里“朝顔”ら万木家の“愛おしい日々”をプレーバック
作品の根底にある“命の大切さ”と“家族の絆”
今回放送されているのは第2シリーズ。第1シリーズは2019年7月から9月にかけて同じ月9枠で放送された。母親の里子(石田ひかり)が東日本大震災で行方不明となり、父親・平と二人暮らしをしていた朝顔。
平と同じ野毛山署強行犯係の刑事・桑原真也(風間俊介)と交際し、結婚。そして娘のつぐみ(加藤柚凪)が生まれて、4人での生活を送るようになっていた。
自由に世界を飛び回る主任教授・夏目茶子(山口智子)、繊細で丁寧な仕事ぶりの法医学者・藤堂雅史(板尾創路)、歯から身元特定が得意な法歯学者で藤堂の妻でもある藤堂絵美(平岩紙)、虫に詳しい法医学研究員・安岡光子(志田未来)、博学で明るいムードメーカー的存在の検査技師・高橋涼介(中尾明慶)といった法医学教室の同僚たちも引き続き第2シリーズに登場している。
どのように事件を解決していくのかというのも、このドラマの楽しみ方の一つだが、“命の大切さ”と“家族の絆”も作品の根底にある大きなテーマとなっている。
第1シリーズは二人暮らしで始まったが、第2シリーズは朝顔、平、桑原、つぐみの4人暮らしでスタート。
第1話からつぐみが「弟が欲しい」と言って一瞬気まずい雰囲気になったりしたが、穏やかな暮らしぶりが感じられる場面が多く見られた。
そんな中、序盤に大きな動きがあった。一つは、信用金庫に勤めていた桑原の姉・忍(ともさかりえ)が38歳にして小さい頃からの夢だった“刑事”になったこと。平や桑原と同じ野毛山署に配属され、いろんな意味でにぎやかさが増した。
そしてもう一つは母親・里子のこと。時間があれば、平は里子の遺体を探しに東北・仙の浦へ足を運んでいたが、仙の浦に住む祖父・嶋田浩之(柄本明)が里子のものと思われる“歯”を仏壇に隠し持っていたことが発覚。
見つけた朝顔に「自分が死ぬまで調べないでほしい」と頼むが、のちに「やっぱり調べてほしい」と考えを改めた。
母親が行方不明となったことが朝顔にとっても深いトラウマとなっているので、この歯が里子のものなのかどうかが、今後のストーリー展開にも影響を与えそうだ。
平穏な4人暮らしにも変化が訪れた。第5話で桑原が銃を発砲するという事件が発生。助けを求めてきた女性を、その女性の元カレが警官から奪った銃で撃とうとした瞬間、桑原が犯人の足に発砲。しかし、女性は倒れてしまい、頭部には銃で撃たれた痕…。
犯人の姿が監視カメラの死角となっていて映っておらず、桑原が容疑をかけられるという窮地に追いやられるが、朝顔たち法医学チームと平たち強行犯チームが懸命に真相を究明し、嫌疑を晴らした。
ただ、このまま何もお咎めなしというわけにはいかず、桑原は長野に転属し交番勤務へと逆戻り。上層部から自主降格を勧められ、その理不尽さに悩むが、銃を奪われた警官が亡くなったことを知り、その警官に対する上の人たちの態度に「命を軽く見ないでもらいたい!」と啖呵を切り、突っぱねた場面はとても印象的だった。
平は里子を探すため前々から東北に引っ越すことを考えていたが、決断して辞職願いを出し、入院中の祖父・浩之の家で新たな生活を始めた。桑原が長野に単身赴任、平も東北に移住し、朝顔はつぐみとの二人暮らしとなった。第2シリーズ序盤の頃の4人で暮らしていた雰囲気を知っているだけに、視聴者もどこか寂しさを感じているのではないだろうか。