山田杏奈、ホラーならではの撮影に苦労も「作品を見た時にすごいことになっているなって(笑)」<Interview>
――今作はホラーというジャンルですが、脚本を読んだ感想は?
私はあまりホラー映画を見ないんですけど、思っていたホラーとはちょっと違っていました。人間だけではなく、人ではない側の背景にもちゃんとドラマがあって、なおかつそれが気味の悪さを生み出している。実際にある場所や都市伝説をうまく絡めていて、すごく面白い作品だなと思いました。
――響という役と向き合って感じたことは?
監督と最初に話をした時に思ったのは、響は人間と接するよりも森の中にいるのが好きな子なのかなと。虫や生き物と近いのかもしれません。
周りの人に気を使ったり、自分はこう見られたいという考えがあまりない。だから、そういうキャラクターやテーマに共通性があるような映画を見たりしながら、響は響なんだという意識を強く持って演じていました。
――どんな映画を参考にしたんですか?
「ぼくのエリ 200歳の少女」(2008年)や、「ボーダー 二つの世界」(2018年)を見ました。何とも言えない不思議な世界観というか、周りの人から見たキャラクターの“異質”さみたいなところは響と通じているところがあるような気がしました。
――物語が進む中、響は何を考えて何を見ているのか。すごく気になりました。
セリフが少ない役なので、響がどういう子なのかよく分からないですよね。
――以前出演されたドラマ「新米姉妹のふたりごはん」(2019年、テレビ東京系)の高校生・サチとは全然違う役どころですよね。
サチと響は正反対のタイプ(笑)。サチも一種のキャラクターと捉えながら演じていましたけど響とは全然違います。そのギャップは面白いかもしれません。
――響を演じながらお姉さんへの思いや母親に対する感情をどんなふうに捉えていましたか?
最終的に姉妹の絆が描かれる物語になっているんですけど、そんなに言葉を交わさなくてもお互いに思い合っていて、それを無意識に分かっている。私にも弟がいるのでそういう感覚は理解できました。
自分の運命(さだめ)として人間の世界とは違う世界と向き合おうとしている響と、お姉ちゃんと離れたくないと強く思っている響。このバランスをどうやって見せていくのか。監督といろいろ相談しながら撮影に臨んでいました。
全国公開中
<スタッフ>
監督:清水崇
脚本:保坂大輔 清水崇
企画・プロデュース:紀伊宗之
製作:「樹海村」製作委員会
配給:東映
<キャスト>
山田杏奈 山口まゆ 神尾楓珠 倉悠貴 工藤遥 大谷凜香
山下リオ 塚地武雅 黒沢あすか 高橋和也 安達祐実 原日出子 國村隼
【HP】jukaimura-movie.jp