3カ月連続で新曲をリリース!松尾太陽インタビュー「ずっと歌っていきたい楽曲に出会えたなと思っています」
「体温」みたいな楽曲に出会ったのは初めてでした
――「体温」を初めて聴いた印象はどうでしたか?
自分が理想とするイメージ通りの楽曲だなと思いました。歌詞を見るだけだと邦楽っぽく感じるんですけど、曲の構成としては洋楽寄りのテイストですし。邦楽の場合、Aメロ、Bメロ、サビの後に間奏が入って、またAからサビを繰り返してDメロにいく流れが一般的なところを、この曲は間奏もないし、Dメロが、まさかの2Bメロの後っていう。こういう楽曲に出会ったのは初めてだったので、すごくいいなと思いました。
――レコーディングはいかがでしたか? Omoinotakeの藤井レオ(Vo/Key)さんと福島智朗(Ba/Cho)さんも駆けつけてくださったそうですが。
そうなんです。実は最初、楽曲の世界観がかなり強いので、そこに入り込むまでに少し時間が必要だったんですけど、お二人が1フレーズずつレクチャーやアドバイスをしてくださって、とても心強く思いながらレコーディングができました。
――歌ってみて新しい発見はありましたか?
楽曲を聴いたとき、Aメロからサビにかけての流れが結構大きなバイオリズムの中で動いている印象があったんです。AメロやBメロは低く抑えめに歌って、サビのところでぐーっと上がっていく、みたいな。もともとそういう歌い方をやってみたい気持ちがあって、それが今回の「体温」なら、曲の構成的にも歌詞の内容的にも絶対に合うだろうなというイメージが自分の中にあったんです。今までやってきていなかった表現でしたが、この曲ではメロディーに応じたバロメーターをちゃんと出せたんじゃないかなと思っています。って、自分で言うのも恥ずかしいんですけど(照笑)。でも、こういう歌い方もできるというのは新しい発見でした。
――「Magic」がファルセットを生かした歌声だったのに対し、「体温」の方は低音や地声をメインとした歌い方だったので、そのギャップも新鮮でした。
確かに、歌い出しから違いますもんね。「Magic」は曲調も歌詞の内容も完全に洋楽寄りですけど、「体温」は邦楽と洋楽の間をいっているような楽曲ですごく面白い。どちらの楽曲も、本当に歌えて良かったと思います。
――この曲のタイトルは「体温」ですが、歌詞に登場するのは1カ所だけで、それ以外は<温度>や<温もり>という表現になっています。それがこの曲の主人公と<君>の関係性の変化を表しているように感じられて印象に残ったのですが、松尾さんの中で印象的なフレーズ、あるいはタイトルからイメージするものは何ですか?
<体温>という言葉が変化するところにもつながると思うんですけど、僕はこの楽曲は、いろんな捉え方ができるなと思いました。例えば、1サビと2サビの2カ所に出てくる<ぎゅっと握って>は、フレーズは一緒でも、その意味がかなり変わるように感じるんです。
――どんなふうに変わると感じたのでしょう?
多分なんですけど、最初の<ぎゅっと握って>は肌と肌が直に触れた温もりで、次の、この歌を締めくくる<ぎゅっと握って>は心の中……気持ちを握りしめるとか、そういう意味なんだろうなって僕は解釈しました。だから、歌詞で描かれる<僕>と<君>は、だんだんと距離が離れていったんだろうなって。それは今の時代的な背景もあるだろうし、そういうのは関係なく、2人のストーリーとして見てもそう感じられて、印象に残りました。
2021年1月に3カ月連続リリース第1弾「Magic」をリリース。第2弾「体温」も現在配信中。
公式hp=https://matsuo-takashi.jp/