泉谷しげると水野美紀が話す“緑川家”の関係性とは?
――台本を読んだ時の感想を教えてください。
泉谷しげる:医療ドラマだから深刻な話でもっと難しい内容なのかなと思っていたけれど、読み進めるにつれて自然と笑っていたし、コメディー要素もあって、正直、面白かった。村の人たちは何かあれば集まってワイワイしているし、にぎやかな部分はちゃんとコメディーなんだけど、医療ドラマらしくほろっとさせてくる部分もちゃんとあるから成立しているのだろなとも感じたな。水野はどんな印象だった?
水野美紀:ヒューマンドラマの中にも、ちゃんとコメディー要素があるので私も面白いなと思いました。また、出演することが決まった時は、岡田さんの作品を久しぶりにやれることになってうれしい気持ちでいっぱいでした。
――印象に残ったシーンは?
泉谷:「にじいろカルテ」の撮影は、撮影場所が都会で暮らしてたら見たこともないほどの山奥というだけで驚くのに、さらには、キャストに「こんなことをやらせるの!?」と驚くことも多かった! その中でも、山の中である儀式をするために、晴信(眞島秀和)を狭い空間に入れて運ぶというシーンが印象に残ってる。もみくちゃにされた晴信は、ちょっとかわいそうだった…。
水野:分かります! 泉谷さんがおっしゃっている眞島さんのシーンは、私も放送で見るのがすごく楽しみです。
――改めて、緑川家の関係性について教えてください。
水野:泉谷さんが演じる日出夫は私が演じる嵐の出ていった夫の父親です。日出夫と嵐は、同居はしていますけど、血はつながっていない親子という、面白くもあり、不思議な関係です。
泉谷:俺、まだちゃんと台本を読んでいない時に、水野に「(嵐の)旦那はどうしたの?」と聞いたことあったよな。「ちゃんと読んどけよ」って話なんだけど(笑)。
水野:ありましたね…、父ちゃん(泉谷)は、さらっと台本を読んで、そのまま現場の雰囲気や状況を見て、その場で対応されることが多いので、いつもすごいなと思っています。実際、劇中では「手紙を残して旦那は出ていった」というせりふはあったんですけど、ちゃんとした理由はまだ出てきてないです(笑)。
――演じるキャラクターはどのようなキャラクターですか?
水野:嵐はおしゃべりな世話好きおばちゃんです。村の役場で働いているので、村のみんなの様子を見ながら世話を焼いて回るそんな女性です。人が好きで、飾らないキャラクターだと思っています。
泉谷:俺自身は、日出夫のことをどっしりと構えたしっかり者の長老のような存在だと思ってたんだ。でも、監督が描きたいのは「人間の弱さ、小ささ、せこさ」だったから、俺が考えていたキャラクターとは違うものだった、むしろ真逆だな。日出夫は長老でもなく、立派な父親でもない。だから水野とのシーンでは、日出夫のいい所と駄目な所に差をつけるために、駄目な所を撮るシーン時に、それが際立つように、日出夫をしかる担当の嵐役の水野に「もっとひっぱたけ!」「こうしたらいいんじゃないか」と積極的に意見を伝えた。大体うまくいったよね?
水野:そうですね! ワンシーンワンカットが多いんですけど、だいたい一回でOKをいただけました。泉谷さんとのシーンはテンポもいいので、あっという間に終わった印象があります。
――主演の高畑さんの印象またはエピソードがあれば教えてください。
泉谷:高畑は明るい。その明るさが、現場をすごくいい雰囲気にしてくれていました。俺は高畑のことをずっと「みつき」ではなく、「あつき」だと思っていて、会うたびに「あつき」「あつき」と呼んでいたら、高畑から「みつきです!」と言われてようやく間違いに気付くことができた(笑)。前も共演してるのに…、正直ショックだったな。あと、高畑から「私、12月14日が誕生日なんで何かください」と言われて、プレゼントをあげる約束をしました。
水野:誕生日プレゼントって何がいいですかね(笑)。私から見た高畑さんは、主演らしくドラマを引っ張ってくれているし、すごくしっかりした印象があります。