映画「ブレイブ -群青戦記-」での役どころ
――さて、ここからは映画のお話を。それぞれの役どころは?
新田:蒼は、客観的に見て普通の子。でも、人というのは何かを抱えて何かを失って何かを目指している時に成長すると思っていて。そういう人の成長がはっきり見える役なんです。蒼自身も、みんなを引っ張っていく存在にならないといけない状況に置かれて成長した人。
とても魅力的で応援したくなる役どころでした。戦国時代でいろいろなことを経験した蒼が自分から動き出していく姿に注目してほしいです。
山崎:遥はたくましくて強い女性。だからこそ、男子たちと一緒に戦にも行く。人の強さってどこから出るのか、どういう時に人は強くなれるのか。その強さの先にあるものは何なのかを考えながら演じました。
鈴木:僕が演じた考太は勇猛果敢でみんなを引っ張っていくような役どころ。とにかく蒼と対極にいる人物になるよう心掛けていました。ある出来事をきっかけに、みんなで団結して時代に立ち向かっていく。その“画”をイメージしながら大事に演じました。
濱田:原作や台本を読んで自分なりに萬次郎という役を作っていきました。科学部に所属している彼がみんなと一緒に戦地に行く理由は何なのか。その思いを大切にしながら演じることを意識しました。そんな萬次郎の姿を劇場で見ていただきたいです。
渡邊:不破というキャラクターは、戦国の人かと言われたらそうではないし、でも現代の人間でもない。すごく中間にいるというか浮いた存在。そういうインパクトみたいなものを求められている役なのかなと。
蒼たちから見たら悪なのかもしれないですけど、不破には彼なりの正義があってみんなより先にタイムスリップして戦国時代に行っている。いろいろな人たちとの掛け合いを通して、そんな不破の思いが伝わればいいなと思っています。
草野:僕以外は皆さん、オリジナルキャラなんです。
新田:えっ、僕、オリジナルキャラだったの? 主人公なのに?(笑)
草野:すみません! 逆です、逆です(笑)。僕が演じた小暮サトシがオリジナルです。監督から「大成が作ってくる小暮でいい」と言われたので、最初は髪を伸ばしていたんです。
新田:確かに伸ばしていた。
草野:いつも丸刈りだったのでちょっと変えようと思ったんです。でも、監督や演技事務の方に「剃りなさい」と言われて。結局、いつもと同じになっちゃいました(笑)。
渡邊:そうだったんだ。
草野:これじゃ今までと変わらないなって思っていた時にまっけんと福山翔大(空手部・相良役)とご飯を食べに行ったんです。その時にちょうど僕がチュッパチャプスをなめていて。それを見た翔大から「大成、それいいよ。糖分が欲し過ぎて太っちゃったキャラにしてみたら」というアドバイスをもらったんです。
それを監督に伝えたら「めちゃめちゃいいじゃん!」って。まっけんと翔大が近くにいてくれたから、あのキャラクターが出来上がったんです。
――撮影を通して気付いたそれぞれの意外な素顔は?
新田:大成は必ずケータリングをおかわりするんです。
山崎:そうなの?
草野:してましたね(笑)。
新田:自分の撮影がない日も現場に来ておかわりしていました。
鈴木:だから、みんなのおかわりがなかったのか。
渡邊:そういうことか。
鈴木:最後はおかまごと食べてたよな。
新田:ホントに?
草野:おかわりをしたいぐらいおいしかったんです。
濱田:ホントにおいしかった。
新田:それは分かる。
草野:監督が食に気を使ってくださったのでみんな笑顔でした。いらいらしている人が誰もいない。
鈴木:食事の時間が楽しみだったしね。
山崎:毎日、現場で温かいご飯が出てくるのはうれしい。
渡邊:切ないストーリーでもありますし、人のはかなさなども説いている作品でしたから。あのおいしいご飯があればノンストレス。モチベーションを高く保つことができました。
濱田:撮影時期もめちゃくちゃ寒かったので温かいご飯はすごく助かるんです。衣装が寒そうな人もいましたから。
渡邊:足軽役の皆さんは大変だったと思います。
――草野さんの“おかわり”は太っているキャラを維持するための役作り?
草野:そ、そうですね。さっきまっけんも言っていましたけど、自分の撮影がない日も現場に来て、カメラでみんなの笑顔や素顔を撮っていたんです。そういう時も気付いたら勝手に食べていました(笑)。
鈴木:撮影の後半なんて、ケータリングの2トントラックを勝手に開けて入っていましたから。
一同:(爆笑)。