想像以上の仕上がりになっている
――ドラマ放送後に寄せられた視聴者からの反響や感想などはいかがですか?
ドラマが始まる前は、「介護」という重たいテーマが視聴者の皆さんに避けられてしまうかな?と少し感じていたのですが、ドラマを見て、介護をされていない方も自分自身の近い将来の可能性や、両親の今後に対して前向きに受け止めていただいているようで、とても嬉しいです。
宮藤さんにも現役の能楽師のご家族の方から励ましのお手紙が届いたり、視聴者の皆さんが制作側のメッセージをしっかりと受け止め、多くの方が前向きに捉えてくださっているように感じます。
――ドラマ制作当初に磯山さんが抱いていた作品のテーマは現在、実現できていますか?
そうですね。出演者の皆さんが、とても細かいところまで(作品のテーマを)受け取ってくださっていて、宮藤さんが書いたセリフを実在する誰かの人生の1ページのように演じてくださっているので、想像以上の仕上がりになっていると思っています。
――現場では宮藤さんの脚本について皆さんで相談をすることはあるのでしょうか?
前室などの日常会話で脚本について相談することはあまりないんですが、実際、現場に立ってセリフを言ってみた時に、「こっちのほうがいいんじゃない?」と、積極的な議論になって、より自然な方向を模索していく感じはありますね。
誰か一人がセリフを言わされているような感じになっていると、「それはこうした方がいいんじゃないか?」と、全員で意見を出し合っていて、プロの現場という感じです。