演じながら秋元さんのビジョンにたどり着いて行く
――秋元康さん企画・原作の作品に出演されるのは2度目だと思いますが、本作に出演が決まった際のお気持ちをお聞かせください。
実はかなり前にこのお話をいただいていたのですが、まず、「なぜ僕なんだろう…」と思いました。でもその後、今、このタイミングで作品自体も“漂着する”ことになり、すべての点が線になってつながったような不思議な体験をしています。
「共演NG」の時にも、「秋元さんはどこまで先が見えている方なんだろう」と感じていたのですが、エンターテインメントを通じてみんなが思っていたことを表現してくださいますよね。サブスクリプションが主体となってきている時代に、民放のドラマはどうあるべきか、を示唆する作品だったなと思います。
この「漂着者」は、演じる僕自身が確固たる答えをもつというよりは、演じながら秋元さんのビジョンにたどり着いて行く、そんな作品になっていくんだと思います。
――台本を読んだ感想をお聞かせください。
僕は映画が好きなので、年齢の割にはいろいろな作品を見てきた方だと思うのですが、このドラマは何とも似つかない、かといってすごく奇をてらっているわけでもない。そして、新しいけれど懐かしい…という、すごく不思議な気持ちになりました。
今のこのご時世において、僕らは何かを断言してくれる人を求めているんじゃないかなと思います。そういう僕らが必要としている存在の象徴、一つの概念として、ヘミングウェイの姿を描いているドラマなんじゃないかなと思いました。