石塚運昇さんからいただいた思い
――二人の艦長が、古代にとって大きな存在だったのですね。
僕が「2202」で一番大事にしたせりふが、「土方前艦長の命令を決行する!!」なんです。何も考えず、とにかく気持ちだけで演じたんですよ。上映後に、ファンの方から「さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち」(以下、「さらば」)での富山敬さんの演技によく似ていると教えてもらったんです。
実は僕は、演じる前あえて「さらば」は見ていなかったんですよ。すべてが終わってから改めて「さらば」を見てみたら、本当にそっくりで。「ああ、思いを受け取るというのは、こういうことなのかな」と感じました。その思いは、石塚運昇さんからいただいたと思っているんです。
改めて今回の総集編であのシーンの自分の演技をみて、こういう言い方は不遜かもしれませんけど、「受け止められた」と感じました。石塚さんにお伝えしたいですね、「受け取りました」って。
――「選択」という言葉もタイトルに盛り込まれていますが、「2202」で古代に課せられた「選択」の重圧を、どのように感じられていましたか?
最近、特に感じるんですが、古代進という人間と同一になってきているというか、一体化してきている気がしているんです。小野大輔という人間の生き方に、どこかリンクしたものを感じるんですよ。アテ書きかと思うくらい。だから自分と近すぎて、正直つらかったですね。
古代と同じで、役者として偉大な先輩がいて、優秀な後輩もどんどん出てきて、僕は、その中間にいるんです。そういうときに、先輩から受け取ったものを後輩に伝えていく、それを自分がやらなきゃと勝手に思うんですね。この作品であれば主役ですから座長として、しっかりしなきゃと一人で背負い込もうとする。
本当はひとりで背負う必要なんかないのに、勝手に頑張っちゃう感じは、まさしく古代だなと。だからこそ、彼を理解できました。お互いが寄り添っている感じすらあります。生き方はしんどいですけど(笑)。石塚さんがいらしたら、「もっと肩の力を抜けよ」とおっしゃってくれたかもしれないですね。