“シンプルな高揚感”が逆に新鮮に映るエンタメ作品
――シリーズとして45年以上続く大作ですが、その最終作である「ゲッターロボ アーク」が今、作られる意味や意義はどんなところにあると感じていらっしゃいますか?
そうですね…。これは僕の個人的な意見ですが、今の時代のアニメーションはリアル志向になっている気がするんです。日常を描いたものや現実に沿ったものなどが多く、もちろんSFや派手なアクション作品もありますが、世界観やキャラクターの性格にもどこかリアリティがあるように感じて。だからこそ、多くの方がアニメを見る機会も増えていると思うんですね。
――確かにそうかもしれません。登場人物や物語に感情移入しやすいと言いますか。
もちろん、昔のアニメにも共感はありました。でも、それ以上に夢や希望の世界をすごく大事にしていたように思うんです。ロボットものは特に。さかのぼっていくと、「鉄腕アトム」はまさにそうですしね。きっと、“世の中はこれからどんどんよくなっていくぞ!”という期待の象徴でもあった。そうした作品を見て育ってきた方たちが、今度はアニメーションを作る側になり、年齢に関係なくいろんな人が楽しめる作品が多くなってきたことで、リアルな世界観のものも増えてきたのかなって。
ただ、そんな中で、「ゲッターロボ アーク」は共感や現実感を重視するというより、かつてのアニメーションのように夢や希望、勇気などの部分を強く押し出したエンターテインメントになっている。そこが逆に新鮮に映るのではないかなと思います。
――声を張り上げてばかりのアニメーションも最近では珍しいですしね(笑)。
ですね(笑)。アフレコでのディレクションでも、よりデフォルメしたような大きなお芝居を求められることが多いですし。ストーリーに関してもそうで。ものすごく語弊があるかもしれませんが、“細かいことはいいんだよ!”っていう強引さがある(笑)。物語はひとまず後回しで、“まずは目の前で行われてるロボットの戦いを楽しんで!”という感じで。
もっとわかりやすくいうと、すげぇヤベェ敵を、すげぇロボットで、すげぇ攻撃で倒すというシンプルな高揚感をたっぷりと味わえる(笑)。それって、今のアニメにはあまり多くないものなのかなと思いますね。
――なるほど。では最後に、放送を楽しみにされている方に見どころをお願いします!
「ゲッターロボ」シリーズの魅力のひとつに3機のロボットが合体して戦う面白さがあります。僕自身、変形ロボが大好きなんです。これまでかかわらせていただいたアニメ作品でも変形ロボに乗る機会が多かったですし(笑)。そうした中で、「ゲッターロボ アーク」はもともと1体ずつに個性や適性があり、異なる強さもある上でさらに合体するので、「これ、もう最強じゃん!」って、見ていてものすごくテンションが上がります(笑)。
また、大人になってくると、合体する楽しさだけじゃなく、パイロットたちにも視点がいくんですよね。合体するにはパイロットたちの呼吸が合わないといけないし、作中ではうまくいかず、彼らが苦悩する部分もある。そこで見せる3人の成長や絆なども見どころになっていますので、ぜひ最後まで楽しみながらご覧いただければと思います。
◆取材・文=倉田モトキ/スタイリスト=奥村渉(WM)/ヘアメイク=尾関真衣(addmix B.G)
7月4日(日)スタート
毎週日曜夜11:00-
TOKYO MXほかにて放送
キャスト:内田雄馬 向野存麿 寸石和弘/内田直哉
企画:ダイナミック企画 原作:永井豪・石川賢 監督:川越淳
<放送情報>
AT-X 7月4日より 毎週日曜 9:00- ※第1話無料放送
TOKYO MX 7月4日より 毎週日曜 11:00-
BSスカパー! 7月5日より 毎週月曜 11:30- ※無料放送
BS11 7月6日より 毎週火曜 0:30-
*リピート放送
AT-X 7月7日(水)より 毎週水曜深夜28:30- 毎週日曜朝6:00-
BSスカパー! 7月11日(日)より 毎週日曜深夜24:30~ ※無料放送
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