千葉雄大 女子の“暗黒面”は「好きになったら帳消し」
お嬢様高校を舞台に女子の暗部を描いた映画「暗黒女子」(4月1日・土公開)で、文学サークルの顧問・北条を演じる千葉雄大。女性キャストだらけの作品で「“借りてきた猫”状態になってましたね(苦笑)」と話す千葉に、映画の見どころを聞いた。
──原作は読んだあとに残るイヤな気持ちがクセになる“イヤミス”の傑作小説。女子の秘めたる暗黒面を描いた物語ですが、男性としてはどんな感想を持たれましたか?
超セレブな女子高のきらびやかな世界観が、一見、非現実的なファンタジーのようで、10代の女の子の関係性がとてもリアルで、不思議な読後感でした。エンタテインメントに面白く描いてはいるんですが、こんなことないでしょ、あったら怖いよ、とも思えなくて。
──ということは、千葉さんも女子の暗黒面を目撃したことが?
結構、いまどきの男子は見てると思いますよ。昨日まで仲良しだったグループの1人が、次の日にいきなり外れてたりとか、3人でしゃべってたうちの1人がトイレに行ったとたん、2人がその子の悪口を言い合うとか、あるあるだと思うけど、僕も中学校の頃に目撃したことがあります。学校って閉じた世界だから、人間関係が濃厚で複雑になりがちなんですよね。そこのイヤな面を、怖く面白く抽出して描いた作品だなと思いました。
──女性キャストの多い現場だったと思いますが、雰囲気はいかがでしたか?
飯豊まりえさんとは雑誌のイベントで一緒になったり、みんなとは少なからず接点はあったんですが、男子高出身のせいか、女子が集団になってるところに入ると萎縮してしまって。みんなは楽しくワイワイやってましたけど、その輪には入っていけなかったです…。
──演じた北条先生という役どころについてはいかがでしたか? 文学サークルの顧問という立場で、本来なら指導者なのに、どこか生徒たちにもて遊ばれてる感じもしましたが。
完全に翻弄されてますよね。体育教師みたいに生徒にグイグイ絡んでいくタイプの先生とは真逆で、典型的な文系の先生。それでいて若い男性でもあるから、生徒たちにとっては格好のターゲットなんだと思います。文学サークルの朗読会で、生徒たちが小説の内容にかこつけて、淫らな会話を繰り広げるシーンがあるんですけど、あれって絶対に北条先生に聞こえるようにしゃべってますよね。いたたまれずその場から逃げ出してしまうところに、この学園での北条先生の立ち位置が現れてるなと思いました。でも僕も、あんな会話する女の子の中にいたら気まずくて逃げ出すと思います(苦笑)。
映画「暗黒女子」
4月1日(土)公開
配給=ショウゲート
出演=清水富美加、飯豊まりえ、清野菜名、平祐奈、玉城ティナ、小島梨里杏、升毅、千葉雄大ほか
「映画公式サイト」
(C) 2017「暗黒女子」製作委員会 (C) 秋吉理香子/双葉社