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【インタビュー】w-inds.のニューアルバム『INVISIBLE』は、彼らが日本最高のダンスボーカルグループであることを堂々と証明する

2017/03/19 16:41

前作『Blue Blood』から約2年ぶりとなるニューアルバム『INVISIBLE』をリリースしたw-inds.
前作『Blue Blood』から約2年ぶりとなるニューアルバム『INVISIBLE』をリリースしたw-inds.


w-inds.にとって約2年ぶりとなるニューアルバム『INVISIBLE』は彼らの音楽性でありアーティストとしてのステージをさらなる高みに引き上げる内容になっている。ワールドクラスのクオリティを満たす先行シングル「We Don't Need To Talk Anymore」を慶太がセルフプロデュースしたことも大きな話題を呼び、かつてないほどw-inds.に多方面から熱い視線が集まっている今、『INVISIBLE』は彼らが日本最高のダンスボーカルグループであることを堂々と証明する。

w-inds.の立ち位置と音楽性の可能性であり、力を示せる作品ができた


――w-inds.の今後を占う意味でも間違いなく大きなアルバムですね。

慶太 はい。w-inds.にとっても、日本の音楽界にとっても、いいタイミングでリリースされるアルバムだと思います。僕はJ-POPも好きだからよく聴くんですけど、今のJ-POPシーンでここまでのアルバムを作ったアーティストはまだいないと思いますし。w-inds.の立ち位置と音楽性の可能性であり、力を示せる作品ができたと思います。

――「We Don’t Need To Talk Anymore」のリリースを契機に、メディアも含めてこれまでw-inds.に触れてなかった人たちが興味を示すようになったじゃないですか。

慶太 確かに今までお付き合いのなかった音楽誌から取材のオファーがきたりしてますね。そこでトラックの作り方を語ったり。自分で言うのもなんですけど、普通のトラックメイカーより知識があると自負しているので。でも、周りのレベルが上がったほうが燃えるから、自分の知識をいろんな人に教えてあげたいです(笑)。

龍一 まるで孫悟空だね(笑)。

涼平 でも、ホントに今までになかった反応は感じていて。「We Don't Need To Talk Anymore」をきっかけにすごく広がったなって。

慶太 今まで続けてきたことの延長線上ではあるんですけどね。

――そこが重要ですよね。

慶太 「We Don't Need To Talk Anymore」のタイミングで僕がセルフプロデュースしただけという話でもあるので。だから、プレッシャーとかは全然なくて。

アルバム『INVISIBLE』初回盤Aのジャケット。LPサイズ特製BOX仕様の同盤Aには、Remix CDと撮りおろしブックレットを封入
アルバム『INVISIBLE』初回盤Aのジャケット。LPサイズ特製BOX仕様の同盤Aには、Remix CDと撮りおろしブックレットを封入


――でも、『INVISIBLE』のジャケットのテイストはあきらかにこれまでと一線を画すアートワークじゃないですか。ストレートに言えば、クールなインディアーティストのような仕様というか。

慶太 それはその通りです(笑)。そこはやっぱりこのタイミングだから、という意識はありました。「We Don't Need To Talk Anymore」の評価が高かったから踏み出せた一歩だと思います。このタイミングを逃したらチャンスはないなと。

龍一 確かに「We Don't Need To Talk Anymore」からの流れで言うと、自分たちのアルバムを作り上げるという思い入れがより強くなったと思います。w-inds.のエネルギーが詰まってるというか。

涼平 慶太がボーカルディレクションをしてくれたしね。

龍一 レコーディングスタジオにいるスタッフも少なかったからね(笑)。

――少数精鋭のレコーディングができたと。

慶太 低コストアーティストですよ(笑)。

涼平 理想的なレコーディング現場であり作品の仕上がりだと思う。

自分のソロ曲だけを聴くと正直違和感を覚えるんですけど、2人のソロ曲と一緒に聴くとそれぞれの個性の広がりを感じることができる


――本作には初めて3人それぞれのソロ曲が収録され、しかも作詞も各自が担当していて。それもこのタイミングだからこそだと思います。

涼平 うん。一曲一曲に思い入れが強いです。

――おそらく質量ともに慶太くんが全曲のトラックを作ろうと思えばできたとは思うけど、結果的に完全なるセルフプロデュースは「We Don't Need To Talk Anymore」のみで。そうしなかったのも冷静なジャッジなのかなと。

慶太 そうですね。実際に曲を作ろうと思えば作れます。でも、僕が全曲セルフプロデュースすることに魅力を感じなかったというだけの話ですね。

――それはなぜ?

慶太 「We Don't Need To Talk Anymore」がよかった、次にアルバムが出ます、僕が全曲セルフプロデュースします!ってなると、ただ調子に乗ってるだけじゃないですか。

――慶太くんらしい(笑)。

龍一 慶太の曲をもっと聴きたがってる人はいるけどね。

慶太 そうなんだけど、しっくりこなかったんですよね。物事には順序があるという考え方もありますし。あとは、海外のトラックメイカーのデモを聴いてカッコ良いと思えたものが多かったんですよ。「We Don't Need To Talk Anymore」の時はホントに1曲もいいと思えなかったんです。

橘慶太(w-inds.)
橘慶太(w-inds.)


――トロピカルハウス系のトラックという意味で?

慶太 そう。そもそもトロピカルハウス系のトラックが全然集まらなくて。それで僕がセルフプロデュースしたというのもあったんですけど、アルバム制作のタイミングではカッコ良いトラックがいっぱいあったので。

――「Come Back to Bed」や「CAMOUFLAGE」とか完全に今のモードにフィットしてますよね。

慶太 そうなんですよ。「CAMOUFLAGE」は「We Don't Need To Talk Anymore」を録った直後にデモが送られてきたんですよ。正直、「CAMOUFLAGE」をシングルにしたいと思いましたもん(笑)。

――トロピカルハウスやインディR&Bの系譜に連なるトラックが多いんだけど、3人のソロ曲も含めてそれだけじゃないというのがw-inds.らしいなと思って。

慶太 そこは最終的にバランスを取りました。最初はほとんどトロピカルハウスやインディR&B系のトラックばかりだったんですけど、ソロ曲も入れることになったし、サウンド的にワントーンだと面白くないなと思って。それで最後の「Players」も変化球として作って。

――この曲、最高にカッコいいですね。慶太くんとJoe氏の共同コンポーズで。

慶太 この曲ではニューディスコというディスコとEDMが融合したジャンルに挑戦して。

――この1曲で、前々作『Timeless』以降から現在までのw-inds.の音楽的なモードを融合できてるとさえ思う。

慶太 ああ、確かにそうかもしれない。

――「We Don't Need To Talk Anymore」で実践したボーカルドロップの方法論も活かされてるし。

慶太 そう。最近ずっと言ってるんですけど、僕はこの16年間ライブで本気で踊ったことがないんですよ。なぜならずっと歌ってるから(笑)。実質的に本気で踊ったら歌えないんですよね。だからリハの時にいつも涼平くんと龍一くんに「俺も本気で踊りたい!」ってずっと言ってきたんですけど(笑)。それで「Players」でもドロップを設けたんです。

涼平 我々は本気で踊らないと「なに力を抜いてんだ!」って言われちゃうから(笑)。

――1曲目が「Boom Word Up」でラストが「Players」という構成もいいですよね。アタマとケツがトロピカルハウスではないという。

慶太 そう。このままだと「Boom Word Up」が浮いちゃうと思って「Players」を作ったところもります。

――見事なバランスだと思う。

慶太 ありがとうございます。中盤以降に位置するソロ曲もパンチが効いてますよね。

――慶太くんのソロ曲「Separate Way」はビートレスのミニマルな曲で。

慶太 ソロ曲をやるって決める前から、こういうアコースティックなギターサウンドでビートのない曲がほしいと思ってたんです。

緒方龍一(w-inds.)
緒方龍一(w-inds.)


――龍一くんのソロ曲「ORIGINAL LOVE」はコンテンポラリーなヒップホップサウンドで。リリックの内容がめっちゃピュアですよね。

龍一 ピュアですね(笑)。最初はもっとピュアな内容だったんですよ。そこから何回か書き直して。なんかね、自分のソロ曲だけを聴くと正直違和感を覚えるんですけど、2人のソロ曲と一緒に聴くとそれぞれの個性の広がりを感じることができるんですよ。

涼平 それは僕も同じ気持ちです。

龍一 でしょ?

涼平 3人のソロ曲の流れで聴くと「いい!」って思える。

千葉涼平(w-inds.)
千葉涼平(w-inds.)


――涼平くんのソロ曲「In your warmth」はポップなR&Bで、これまたピュアなリリックなんですよね。それを言えば、慶太くんの「Separate Way」もかなりピュアなんだけど(笑)。

慶太 確かにそうだ(笑)。

涼平 僕はピュアな歌詞を意識して書きました。ピュアというか、自分のボーカルに対していろんな人が「涼平くんのボーカルって(スウィートという意味で)甘いよね」という感想をくれるんですけど、その感じが活きる世界観の曲にしたいなと思って。あと、アルバム全体としてもピュアな曲が少ないと思ったので。ただ、レコーディングは難しかったです。慶太にしっかりディレクションしてもらって。

龍一 演技レッスンみたいな感じだったよね(笑)。

慶太 やっぱり歌心が大事だと思うので。テクニックだけじゃ人の印象に残らないんですよ。歌心がないと通りすぎてしまうんですよね。だから、少しでも歌に感情が乗るような発声が重要になるんです。

――それにしても基本的にセクシャルなストーリーが描かれている曲が多いんだけど、ソロ曲を各自が作詞するとこんなにもピュアな曲ができるんだと思って(笑)。

慶太 それは間違いない(笑)! 本質が出ちゃうんでしょうね。

龍一 そうだね。ヤバいね(笑)。今気づいた。

――そこがw-inds.の良さでもあるなって。

慶太 おっしゃる通りだと思います。

今までのw-inds.の歴史を背負って新しいステージを提示したいなと思います


【写真を見る】w-inds.はダンス&ボーカルグループにフォーカスしたムック本「BOYS ON STAGE vol.11」にも登場
【写真を見る】w-inds.はダンス&ボーカルグループにフォーカスしたムック本「BOYS ON STAGE vol.11」にも登場


――このアルバムをライブでどのように体現するのかも気になります。

慶太 基本的に打ち込みのサウンドなので、まずは打ち込みの鳴りがよくなるライブ環境を整えたいですね。音がいいということはライブの絶対条件だと思うので。音の良さというのは作品でもかなりこだわったポイントだし。『Timeless』と『Blue Blood』で80年代、90年代のソウル&ファンクのテイストを昇華して、ダンスの面では抜きの部分を大切にしてきて。それを経て、このタイミングで最後のダンスを見せようという意識もあります。

――最後のダンス、という意識があると。

慶太 年齢的にもクオリティの高いダンスを見せられるタイミングはここが最後なんじゃないかと思うんですよ。たとえば35歳になったら、絶対に今よりパフォーマンスは落ちるし、よくて現状維持だと思うんです。そのうえで他のダンスボーカルグループとの差別化も図りながら今後のライブに取り組みたいなと。そういう意味でも今までのw-inds.の歴史を背負って新しいステージを提示したいなと思います。

龍一 そこがポイントだよね。

涼平 『Timeless』の前のEDM期にガンガン踊っていた時よりも気持ち良く踊れると思う。あの時は「隙間がねえ!」って感じだったから(笑)。

――“POPSPRING 2017”では海外アーティストと共演しますね。すごくいいチャンスだと思う。

慶太 楽しみですね。「なんでw-inds.が出るんだよ」って言ってる人もいるみたいなので、黙らせてやろうと思います。僕ら、アウェイが大好きなので。

龍一 ひさしぶりのアウェイだから燃えるね。アウェイはリハから楽しいからね。

涼平 そうだね(笑)。

慶太 新しいw-inds.を見せるのが楽しみでしょうがないです。

【取材・文/三宅正一(Q2)】

Release Information


アルバム『INVISIBLE』初回盤Bのジャケット
アルバム『INVISIBLE』初回盤Bのジャケット


アルバム『INVISIBLE』通常盤のジャケット
アルバム『INVISIBLE』通常盤のジャケット


Album『INVISIBLE』

2017.3.15 release

初回盤A(2CD+Blu-ray)4630円+税

初回盤B(CD+DVD)3565円+税

通常盤(CD only)2778+税

【CD収録内容(※全形態共通)】

01. Boom Word Up(36th Single)

02. Come Back to Bed

03. Complicated

04. We Don’t Need To Talk Anymore(38th Single)

05. CAMOUFLAGE

06. Backstage(37th Single)

07. Separate Way(橘慶太ソロ楽曲)

08. ORIGINAL LOVE(緒方龍一ソロ楽曲)

09. In your warmth(千葉涼平ソロ楽曲)

10. wind wind blow

11. TABOO

12. Players

13. We Don’t Need To Talk Anymore DMD Remix

Live Information


w-inds.は3月に幕張・神戸で開催されるポップ・ミュージック・フェス「POPSPRING 2017」に出演。7月からはライブツアーがスタート
w-inds.は3月に幕張・神戸で開催されるポップ・ミュージック・フェス「POPSPRING 2017」に出演。7月からはライブツアーがスタート


w-inds. LIVE TOUR 2017“INVISIBLE”

7/20(木)埼玉:サンシティ越谷市民ホール 大ホール

7/21(金)埼玉:サンシティ越谷市民ホール 大ホール

7/23(日)神奈川:相模女子大学グリーンホール 大ホール

7/29(土)千葉:松戸・森のホール21 大ホール

8/4(金)兵庫:神戸国際会館 こくさいホール

8/5(土)大阪:大阪国際会議場 グランキューブ大阪 メインホール

8/11(金・祝)福岡:福岡市民会館

8/13(日)広島:上野学園ホール

8/26(土)東京:オリンパスホール八王子

9/3(日)宮城:仙台市民会館

9/9(土)新潟:新潟県民会館 大ホール

9/16(土)愛知:愛知県芸術劇場・大ホール

9/27(水)東京:日本武道館

この記事はWEBザテレビジョン編集部が制作しています。

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  • 前作『Blue Blood』から約2年ぶりとなるニューアルバム『INVISIBLE』をリリースしたw-inds.
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  • w-inds.は3月に幕張・神戸で開催されるポップ・ミュージック・フェス「POPSPRING 2017」に出演。7月からはライブツアーがスタート
  • アルバム『INVISIBLE』初回盤Aのジャケット。LPサイズ特製BOX仕様の同盤Aには、Remix CDと撮りおろしブックレットを封入
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  • 橘慶太(w-inds.)
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