「“あの経験”があったからこそ今がある」
――ワニは自分の運命がどうなるのかに気づいていませんが、映画からは何気ない日常を送れることこそが幸せというメッセージが伝ってきます。お二人のこれまでの人生で「あのときにあれがあってよかったな」と思うものはありますか?
中村:僕は若いときに蜷川幸雄さんの舞台に出させてもらったことかな。デビューしてまだ2、3年の頃だったので、本当に右も左もわからない状態で。でも、蜷川さんは最初、何も言ってくれないんですよね。どこから出て、どう動くのかも指示がなく、とにかく自由にやれと。それで自由にやった結果、ボコボコにされるんですけど(笑)。あの経験があったからこそ、今があると思っています。ただ、あそこまで毎日行きたくないと思うくらい怖かった現場は、あれ以降ないですけどね(笑)。
山田:ものすごくいい話ですね! 胸に染みました。
中村:その後、福田雄一さんの舞台に出たときに「そんなことも指示してくれるんですね」と言ったら、「お前、俺をなめてんのか」と怒られましたけどね(笑)。
山田:僕はこの前「100日間生きたワニ」のメンバーでLINE LIVEをやったときに、倫也さんが「忙しいの?」と聞いてくれて。そのときに「これを越えたら楽になるから、頑張りな」と言ってくれたのが、ものすごくうれしかったです。前を歩いてくれている方からそう言われると、すごく救われるんですよね。
中村:「ブレイクする」って、「ブレイクスルー」という言葉から来てるんだって。だから、大事なのはブレイクしそうなのを過ぎ去ってからじゃない?
山田:倫也さんの言うことは頭がよすぎて、僕にはちょっと(笑)。でも、肝に銘じておきます!
取材・文=馬場英美
7月9日(金)全国公開
出演:神木隆之介 中村倫也 木村昴
新木優子 / ファーストサマーウイカ 清水くるみ Kaito 池谷のぶえ 杉田智和 / 山田裕貴
原作:きくちゆうき「100日後に死ぬワニ」
監督・脚本:上田慎一郎 ふくだみゆき
音楽:亀田誠治 主題歌:いきものがかり「TSUZUKU」(Sony Music Labels)
製作:市川南 大田圭二
共同製作:藤川克平 中尾恭太 春山ゆきお 辻野学 五老剛
エグゼクティブプロデューサー:山内章弘 上田太地
プロデューサー:臼井真之介 山中一孝
コンテ・アニメーションディレクト:湖川友謙
美術監督:徳田俊之
色彩設計:池田ひとみ
撮影監督:簡佳瑩
製作:「100日間生きたワニ」製作委員会 アニメーション
制作:TIA
配給:東宝
公式サイト:100wani-movie.com
(C)2021「100日間生きたワニ」製作委員会