山田尚子監督コメント
確かに生きた人たちの、大切な物語に真摯(しんし)に向き合いたいと思いました。「平家物語」は宇宙のように果てしない存在だと思っていましたが、とても色鮮やかで、実に情の深い作品でした。どうかみなさまの心に沁みていけますよう。よろしくお願いいたします。
イントロダクション
<祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり 娑羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす>
平安末期。平家一門は、権力・武力・財力あらゆる面で栄華を極めようとしていた。亡者が見える目を持つ男・平重盛は、未来(さき)が見える目を持つ琵琶法師の少女・びわに出会い、「お前たちはじき滅びる」と予言される。
貴族社会から武家社会へ―― 日本が歴史的転換を果たす、激動の15年が幕を開ける。