飲みの誘いに「桃李だけ来てくれなかったんです」
古田が激しく追求することになるスーパーの店長を演じる松坂桃李について、古田は「素直なお芝居をする人だなと思っていて、現場に入ったらその通りだったので安心しました。ただ、僕はみんなと飲みに行くんですけど、飲みに行こうよと言っても、桃李だけ来てくれなかったんです。たぶん、役に入り込んでいたんだと思います。僕と仲良くしちゃいけないと…」と嘆き、瀧川から、オールアップ後に飲みに行ったのかと聞かれるも、「行ってくれなかったです」としょんぼりした様子だった。
また寺島は、松坂について「もうちょっと違う役で出会いたかった」とこちらも残念そうに語り、「(麻子は)彼を守るために頑張っている人で、その熱量が過剰過ぎたのかな。ちょっとアプローチをかけても、桃李くんが引く感じがお芝居をしてもすごくよく分かったので、常に切ない感じで撮影していました」と心情を明かした。
さらに古田が、「僕としのぶちゃんが言い合いをするシーンがあって、その間に桃李が割って入らなきゃいけないんだけど、おどおどしているんですよ」と明かすと、吉田監督は「桃李からしてみたら、“ゴジラ対コング対スーパーの店長”みたいな座組になっちゃってるから、気の毒でしょうがなかったです(笑)。でも、カットがかかったらいつもホッとした顔でニコニコしていました」と松坂の様子を語った。
古田「いろんな意見が聞きたくなるような映画です」
最後に、古田は「面白い作品に仕上がりました。僕はあまり、そんなこと言わないんですけど、この作品はたくさんの人に見ていただきたいです。答えが一つではないと思うので、本来なら、映画を見たあと居酒屋に行って、いろいろな話をしていただきたいですが、いろんな人に見ていただいて、いろんな意見が聞きたくなるような映画です」と自信をみせた。
寺島は「和気あいあいとした現場なんですけど、出来上がりはとても緊張感のある素晴らしい作品になっていると思います。決してスカッとする映画ではないですけど、何か心に火が付けばいいなと思っています」とコメント。
吉田監督は「芝居ってこういうことなんだと、経験したことのない感覚をこの作品で感じました。それは映画の中にも宿っていると思うので、それだけでも見る価値があるんじゃないかと思います」と語り、イベントを締めくくった。
※吉田監督の「吉」は正しくは「土に口」
9月23日(木・祝)公開
出演=古田新太、松坂桃李、田畑智子、藤原季節、趣里、伊東蒼、片岡礼子、寺島しのぶ
監督・脚本=吉田恵輔
音楽=世武裕子
企画・製作・エグゼクティブプロデューサー=河村光庸
制作プロダクション=スターサンズ
撮影協力=蒲郡市
配給=スターサンズ/KADOKAWA
製作=2021「空白」製作委員会
(C)2021「空白」製作委員会
【公式サイト】kuhaku-movie.com