秋は昆虫に注目が集まる季節。美しい声で鳴く虫たちや、秋の空を飛び回る虫たちが、私たちの耳や目を楽しませてくれる。
そして“虫”といえば「三度の飯より虫が好き!!」と公言するイケメン昆虫ハンター・牧田習。「アウト×デラックス」「クイズ99人の壁」「それって!?実際どうなの課」などテレビ番組にも多数出演し注目を浴び、今年1月にはNHKプロデューサーの目に留まり「ダーウィンが来た!」にも出演を果たした。
幼少期から昆虫が好きすぎて昆虫採集に明け暮れ、ついには昆虫のために地元・兵庫から北海道大学へ進学。その後、東京大学大学院(農学生命科学研究科)に進み、現在は大英博物館やオックスフォード大学など海外の研究者と協同で昆虫研究を行い、新種を発表し続ける牧田習が、虫たちの知られざる生態を面白おかしく解説する本連載。第3回は、秋の風物詩とも言われる「赤とんぼ」の生態に迫る。
赤とんぼなのに赤くない!?
「赤くない赤とんぼ」がいるのをご存知ですか?
そもそも、「赤とんぼ」とはどういったとんぼのことをいうのでしょうか⁉「赤とんぼ」とは体の色が赤いとんぼのことをいうのではないんですよ。「アカネ(トンボ)(属)」と呼ばれるトンボの仲間のことを指します。
この「赤とんぼ」たちですが、日本にいる多くの種類において、オスの「赤とんぼ」は時間が経つにつれ、体の色が赤色に変わっていく種類が多くいます。しかし一方で、メスの「赤とんぼ」は赤くならず、黄色やオレンジ色、黒っぽい色をしていることがほとんどなんです。
更には「青い赤とんぼ」までいます。不思議ですね〜。ナニワトンボという赤とんぼのオスは成虫になりたての頃は、黄色と黒色が混ざったような色をしているのですが、時間が経つと青色になってきます。もはや、「赤とんぼ」はなく「青とんぼ」ですね(笑)。
秋の空には、夕焼け〜小焼けの〜赤とんぼ♪ に青とんぼ、黒とんぼと沢山の赤とんぼがいるので、是非空を見上げて探してみてください!
【今回紹介した昆虫】
正式名称:アカネトンボ
(通称名:赤とんぼ、赤卒(せきそつ))
体長:3~5cm程。
色:赤、青、黄、など種類により様々。
生息地:水辺に多い。
特徴:小さな生き物を捕まえて食べる。
(性別オス・メス)
オスとメスの見分け方:オスは成熟すると色が変わる種類が多い。
見つけやすい天候:晴れの日にはよく飛び回る。
よく見つけられる時期:夏から秋にかけて多く見られる。
【プロフィール】
まきた・しゅう=1996年10月14日生まれ、兵庫県宝塚市出身。O型。幼少期から昆虫が好きで、高校時代には学会(日本甲虫学会、日本昆虫学会)に参加する。現在では海外の研究者と協同で昆虫研究を進め、新種を発表するなどして昆虫研究家として活躍している。特技は三線で、宮古民謡コンクール、八重山古典民謡コンクールに出場経験あり。