続いて場面は東京へ。田中氏に最も印象に残っているシーンを尋ねると、「そろばんの団地」だと返ってきた。
「初めは作品に出てくる洋食屋にちなんで、サンドイッチを重ねて作ろうとしていたんです。でも、サンドイッチは今でもよく目にするから面白くないよねということになって。
雑貨屋さんでそろばんが並んでいるのを見て思い付きました。そろばんは珠を外すと建築中の様子にも見せられるので、うまくいったと思います」と明かす。
さらに、「銀座の風景の場面で、時計の針が8時15分を指しているのは、当時の“朝ドラ”が始まる時間なんです」とトリビアを教えてくれたのは森江氏。
森江氏は「シーンの途中で朝から夜に変わるので、どちらにも使える時間になっています」と続け、「田中さんの普段の作品には“時間軸”がないので、新鮮なのではと思いますね」と注目すべきポイントを呼び掛けた。
今後、オープニング映像には新たなシーンも登場する予定になっている。桑田佳祐による主題歌「若い広場」に身を委ねてゆったりとタイトルバックを眺めていた視聴者も、一度画面に近づき目を凝らして見ればたくさんの「発見」があることだろう。
田中氏、森江氏が職人技で作り上げた映像には、古き良き風景、そして忙しなく過ぎる日常ではつい忘れてしまいがちな、“粋な心”が詰まっている。
毎週月~土曜朝8:00-8:15ほか
NHK総合ほかで放送
【HP】 https://www.nhk.or.jp/hiyokko/
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