<女系家族>寺島しのぶ「多分すごく『イタイ女』に映っている」女性たちによる壮絶な遺産相続争いが開幕
寺島が「女系家族」に懸ける思いを明かす!
――昔の作品を現代風アレンジされているかと思います。現代風にしたことで難しかったことや寺島さんが気になったことがあれば教えてください。
現代風にアレンジしているようでしていないと思います。小道具などは今どきの物になっているのでそこは面白さを感じました。昔の作品を現代で放送するのだから「現代風になっているだろう」と皆さんが思っているようなアレンジはされていないです。
「昔と今」というよりかは、鶴橋康夫監督の頭の中で描いた作品かそうではないかの違いはあります。なので、私が演じるうえではあまり「昔の作品」という風には感じなかったです。
――予告動画でも台本でも「ボレロ」が特徴的でしたね。
「ボレロ」がメインテーマ(ソング)となっているので、ト書きには「ボレロ」とたくさん書いてありました。でも(取材時に)私まだ完成品を見ていなくて、そこが鶴橋監督の手によってどういうふうになっているか私自身もすごく楽しみです。
――渡辺えりさんとの掛け合いがすごく魅力的だと思ったのですが、渡辺さんとの撮影はいかがでしたか?
私演じる藤代、水川(あさみ)さん演じる千寿、山本(美月)さん演じる雛子の三姉妹のはずなんですけれど、渡辺さん演じる三姉妹の叔母・芳子のキャラクターが濃すぎて、全てを持っていかれてましたね(笑)。三姉妹+αの「α」のキャラクターが強すぎました! あんなにでしゃばる叔母さんは、今までの「女系家族」ではいなかったんじゃないかな? それくらい存在感がありました。
渡辺さんいわく、「浅田美代子さんが演じていたように芳子を演じる」と言っていたんですけど…、いざ撮影に入ったら言っていることと、やっていることが全然違って、「え!?これが浅田美代子さんなの!?」と笑ってしました(笑)。
――本番で耐え切れずに笑ってしまったこともあったのでしょうか?
本番ではさすがに耐え切れずに笑うということはなかったですが、稽古中はゲラゲラ笑ってしまいました。渡辺さんは稽古であっても本番であってもいつでも全力でやり切る方なので、鶴橋監督もお手上げでしたね(笑)。
「ここで踊る」など鶴橋監督らしいト書きに対して、渡辺さんが率先して踊りだすこともありました。姉妹がメインの話だよと言っているのに、叔母さんが率先していろいろやるのでそこもまた作品をよりよいものにしていってくれたんじゃないな。
キャラクターの濃い叔母さんだって、「女系家族」の中にいて、「女が(前に)出なければならない」という背景を渡辺さんが深く読み取って役に反映しているので、叔母さんをフィーチャーしてもらってもその行動や言動に説得力があるんですよね。だからこそ、「矢島家」のシーンは姉妹間でも、親せき間でも何かギスギスした雰囲気が漂っているんだと思います。