今を懸命に生きる斉藤朱夏がライブで届けた言葉と強い想い
「ワンピース」に続いて披露されたのは、デビューミニアルバムのタイトル曲「くつひも」だ。心地いいスイング感とナチュラルな歌声が、とても心地いい。
続く「恋のルーレット」を歌い終えたあとは、この日最初のMCでファンを彼女らしく熱く煽り、「あめあめ ふらるら」、赤を基調にしたワンピースに着替えてからの「パパパ」「ぴぴぴ」と続く流れでは、持ち前の明るさで会場に一体感を生み出していく。
そして、2度目のMCのあとに、最初のクライマックスは待っていた。
とにかく、歌声を通して思いがダイレクトに伝わってくる
まずは、ライブでは初披露となった7曲目の「36℃」だ。ウィスパーボイス気味に歌い始められた同曲は、冬の恋心を描いたバラードなのだが、すっと伸びていく歌声や時折聴かせるファルセットボイスが素晴らしい仕上がりだった。
そのあと「よく笑う理由」の歌い出しでは、アコーステイックギターと歌のみでのパフォーマンスを披露する。「よく笑う理由」は、アルバム『パッチワーク』でも大きなポイントとなっているスロウナンバーで、彼女が“よく笑う”複雑な理由が赤裸々に歌われていく楽曲である。この曲での斉藤朱夏の歌唱は、今までの彼女の歌では聴いたことがなかったような、激しい感情がほとばしるものだった。とにかく、歌声を通して思いがダイレクトに伝わってくる。
そのエネルギーが、アコースティックギターと歌というシンプルなセットだったことを差し引いてもなお、本当に生々しく迫ってきたのだ。この時点で、素晴らしいライブになる予感はほぼ確信になっていた。前回のライブから約4か月、斉藤朱夏の“歌の力”は掛け値なしに強く、しなやかになっている。
「よく笑う理由」を歌い切ったあとは、もう1本のアコギとパーカッション、ピアノを加え、アコースティックセットが続く。披露されたのは、「ヒーローになりたかった」と「セカイノハテ」だ。
ここでの彼女はしっとりとした歌声を聴かせ、ボーカリストとしての確かな成長をさらに証明する。そこから、再びバンドセットで「しゅしゅしゅ」「Your Way My Way」と繋いでいくが、アップテンポでスピード感があるナンバーでもボーカルの力が褪せることはない。
MCを挟み、本編のラストを飾ったのは、4つ打ちのリズムが高揚感を生み出す「またあした」。そのリズムに合わせて、観客からハンドクラップが発生する。リズムに乗せて大きく手を振り、「ありがとう!」と笑顔で叫ぶ斉藤朱夏。こうして、ライブはいったん幕を下ろした。
2022年4月13日(水)大阪府 なんばHatch
2022年4月22日(金)愛知県 Zepp Nagoya
2022年4月24日(日)東京都 チームスマイル・豊洲PIT
【斉藤朱夏 公式ホームページ】https://www.saitoshuka.jp/
【斉藤朱夏 公式Twitter】https://twitter.com/Saito_Shuka