向井慧が反省し続ける理由「お笑いを辞めたくない」“苦手な仕事”でのモチベーションは「好きな仕事につながる」
――向井さんは「あちこちオードリー」では“反省大王”とも呼ばれていますね。自身の内面や弱さに向き合い、反省し続けるのはかなり大変なことだと思いますが、それでも向井さんが反省を止めない理由はなんでしょうか。
結局、「このお笑いの仕事を辞めたくない」「なんとかこの世界でごはんを食べたい」っていうのが一番大きいですね。だからやるしかないというか、そんなに好きじゃなかったら向き合わなくていいと思いますもん、やっぱり。そこまでするんだったら、他の仕事をしたら良いとも思いますけど、それができないから向き合うしかないって感覚です。
――お笑い愛があるからこそ、自分の弱い部分とも向き合えるんですね。とはいえ、大好きなお笑いのお仕事ですが、時には「やりたくないな」という内容のものもあったのではないかとも思います。そういった時はどのように折り合いをつけていましたか。
でもテレビ出始めの若手の頃は、「あ、これ苦手だな」という仕事も、「この先、好きなことができるために必要な仕事だな」って思うと全然やれたんですよ。で、この年齢になった今は、わりと好きな仕事ができるようになっています。だから、その瞬間瞬間で「これをやっておいたら、好きな仕事につながる」というモチベーションがあるかないかだと思います。
今の若手の子のロケをテレビを見ていて、「これはすごい大変だろうな。それなのに頑張っていて偉いな」と思うこともありますけど、自分が若手だったら「たしかに苦手で嫌だけども、ここは通らなきゃいけないからノーギャラでもやりたい」って思ってやれたような気がするんですよ。だから「ノーギャラでもやりたい」って思う時と「ちょっとできないな」っていう時があるから、その気持ちに従っていたらわりと大丈夫な気がしますね。
コンプレックスだった「“向井”は好きな芸人じゃない」…「ちょっと気になる芸人」へと変化
――なるほど。ところで向井さんは、昨年の2021年を振り返っていかがでしたか。
おととしの2020年が、「こんないい年はないんじゃないか」っていう年だったんですよ。「有吉の壁」が4月からレギュラーでスタートしたり、「あちこちオードリー」に出させてもらったり、自分の芸人人生の中でもこんないい年はなかったなっていう。だから逆に2021年が不安だったんですが、自分の中では2020年と同じぐらいいい年でした。
ずっとお笑い好きだった学生時代の自分から見て、“パンサー向井”は好きな芸人じゃない、というコンプレックスがずっとあったんですが、2021年でようやく、学生時代の向井が見て「ちょっと気になるな」という芸人にはなれたかなと。
――それでは2022年の目標をお聞かせください。
一個でもいいから、何かの部門で一番になってみたいなという気持ちが出てきました。2020年、2021年よりもちょっとでも右肩上がりの一年にしたいなっていうのが大きいので、そのためには何にしたらいいんだろうっていう感じです。あとは、もっと自分なりの道を進まなきゃなというのもあります。今はわりと舗装された、先人たちがつくった歩きやすいところを歩かせてもらってる感覚なので、ちょっとだけでも自分も舗装する側になりたいです。狭い道でもいいから、何かできたらなとは思っています。