先輩たちの“大イジリ”に田淵累生もたじたじ
織田作之助を演じた谷口は、「監督が2.5次元をいかにリアルにするかという工夫をしてくれたので、僕らも信用してできた。“実写映画でやったるぞ!という気合と緊張感、舞台でつないできた自信がかみ合った、いい雰囲気の撮影現場でした」と真面目に語りつつ、「撮るのが多いんだよ~! アクション何回やらせるんだよ~!」と、今だからこその切実なクレームを坂本監督に入れる。監督が笑顔で出す「はい、もう1回」が大変だったというが、そのアクションシーンの出来には映画を鑑賞したファンも大きな拍手を贈っていた。
続いて太宰治役の田淵に話が振られると、谷口が「田淵は遅刻してきました!」とカットイン。「大切なシーンの日に太宰が遅刻してきました。スタッフが気を利かせて、僕が知らないふりでいつの間にか到着させようとしたら、僕の撮影が終わっちゃってバレるしかなくて。累生が真っ青な顔して謝りにきました」という“しくじり”エピソードを暴露した。これを受けて、田淵は「その現場が1時間に1本しか電車がなくて…、自分が悪いんですけど、本当に申し訳ありませんでした!」と平謝りしていた。
仕切り直して田淵に撮影の思い出を聞くも、谷口の暴露に動揺した様子の田淵。そこへ植田が「ルパン(文豪たちが集まっていたという実在のバー)、最高だったよね」と助け船を出すと、田淵は「店に入っただけで空気感があって、気持ちがいく。遅刻してからの話じゃ弱いかもしれないですけど(苦笑)、賢志さんとルパンがあるのが楽しみで仕方なくて、引っ張られてお芝居していました」と熱弁。谷口も「太宰さんが座っていた席に累生が座って、自分に取り入れようとしている顔を見たら、遅刻は置いといて(笑)面白い芝居ができるんだろうなと思った」と、“太宰治と織田作之助”としての撮影を振り返った。
重ねて、植田からも田淵のエピソードが飛び出す。「彼って…ちょっと面白い…というか(笑)。特典みたいなものを撮っているときに『ちょっと映画を見に行くんだ』というセリフを、この男はずっと『ちょっと映画館を見に行くんだ』と。“建物見に行ってどうすんねん!”っていうくだりをやったにもかかわらず3回くらいミスって、あのときだけ監督、ちょっと怒ってました(笑)」と明かせば、坂本監督も「怒ってない怒ってない。田淵くんはそういう人だから(笑)」と会場の笑いを誘っていた。
2022年は「文豪ストレイドッグス」イヤーに!
新年ということで2022年の目標を聞かれると、橋本は「映画も始まり、アニメの4期も予定しておりますので、今年は『文豪ストレイドッグス』イヤーにしたい。もっともっと、このコンテンツが大きくなってくれたらうれしいです」と語り、鳥越も「“この映画、どうなるんやろ”っていう…。“何かが起きるんじゃないか”という、その“何か”を期待しています」と、新たな展開にも期待を寄せる。
また谷口は「今年の目標は…アンチエイジングかな(笑)」と回答。一見ボケのようにも思えるが、そのこころは「特典でもらえる小説(本作の入場者特典である小説『太宰を拾った日』)、行きたいじゃん、っていうほのかも込めつつ…」と、鳥越同様、“次”に期待をにじませた。
一方、田淵がぼそりと「僕は…遅刻しないように頑張ります」と言うと、客席からはクスクスと笑いが漏れる。どうやらこのコメントは鳥越の入れ知恵だったようで、見かねた鳥越が「もっとパンッと言ってくれんと! 役者やろがい!(笑)」と咆哮すれば、植田に「なんか品がないからやめてくれる?(笑)」とたしなめられ、キャスト同士の和気あいあいとした雰囲気が垣間見えた。なお植田は2022年の目標を、「去年(2021年)は中原中也を演じている時間がとても長かった。それを超える熱量で作品と役を愛せる年になれば」と話していた。
最後に鳥越が「今年は“寅年”ですね。中島敦、年男ですから! その勢いも借りて、皆さんと一緒にこの作品を育てていけたら」、橋本が「もっともっといろんな展開してほしいと思いますし、皆さんの声がそれにつながっていくんじゃないかと。ですので、映画の感想はハッシュタグ #映画文スト でお願いします! 皆さんの声が未来の“if”につながるかもしれません」と熱く語りかけ、舞台あいさつを締めくくった。
1月7日(金)より全国公開中
配給=KADOKAWA/原作=角川ビーンズ文庫「文豪ストレイドッグス BEAST」/監督=坂本浩一/脚本=朝霧カフカ/音楽=岩崎琢
出演=橋本祥平、鳥越裕貴、谷口賢志、田淵累生、紺野彩夏、桑江咲菜/植田圭輔/輝馬、長江崚行、桑野晃輔、堀之内仁、広川碧、齋藤明里、村田充、岸本勇太、南圭介/荒木宏文
(C)映画「文豪ストレイドッグス BEAST」製作委員会