「舞台とはまた違う緊迫した撮影で新鮮だった」
——舞台で演じている作品が、銀幕へ。演技をする上で、最も違ったことは?
鳥越:舞台だと、客席に届かない声や表情の領域がどうしてもあります。表情の変化や声が小さすぎると、客席に伝わらない。客席に届くレベルを保ちつつ、かつ日常の会話としてもおかしくないトーンに整えないとダメなんです。その意味で、映像は調整がいらない。今みたいな感じで普段と同じボリュームでしゃべっても、それが観客に届くのが魅力ですね。芝居には変わりありませんが、「このキャラクターの日常会話は、どれくらいのボリュームとニュアンスでしゃべるかな」と考えながら演じるのは、楽しかったです。
橋本:後ろの席までわかりやすく届くようなお芝居を、舞台では心がけていました。そうじゃないと、いくらマイクがあっても“今、誰がしゃべっているのかわからない”という状態になってしまうことがあるんです。芥川として日常のトーンでしゃべってみたいなと、ずっと思っていました。それが叶って楽しかったですし、敦とのシーンも舞台とはまた違う緊迫した撮影だったので、新鮮でしたね。
——逆に「映画だとこれはできないんだ」と思ったことは?
鳥越:舞台が持っている熱量、というものが僕は好きで。あのリアルな空間で発揮される熱量に勝るものってなかなかないと思っているんですよね。ただ、その舞台の熱量をそのまま映像にぶつけてしまうと、映画としては違和感のあるお芝居になってしまうので、そのバランスをどう整えるかという中では、いろいろな発見がありましたね。
橋本:根本的な違いは、やはり“生もの”という部分なのかなと思います。映画は監督がOKを出して、それを編集して、最高の形でいろんな方に見ていただくんですけど、舞台はその日によって別もののように受け取れたりもする。“生もの”というところは大切にしているし、僕が舞台を好きな理由の一つでもあります。
1月7日(金)公開
出演:橋本祥平 鳥越裕貴
谷口賢志 田淵累生
紺野彩夏 桑江咲菜/植田圭輔
輝馬 長江崚行 桑野晃輔 堀之内仁 広川碧 齋藤明里
村田充 岸本勇太 南圭介/荒木宏文
原作:角川ビーンズ文庫「文豪ストレイドッグス BEAST」
監督:坂本浩一
脚本:朝霧カフカ
音楽:岩崎琢
主題歌:GRANRODEO「時計回りのトルク」
配給:KADOKAWA
公式サイト:bungo-movie.com
(C)映画「文豪ストレイドッグス BEAST」製作委員会