今は早く台本の続きが読みたいです!
圭介の一人娘・麻衣は連続テレビ小説「おかえりモネ」(2021年、NHK総合ほか)の未知役など活躍が目覚ましい蒔田彩珠が演じ、貴恵としての記憶がよみがえったという小学生・万理華は連続テレビ小説「おちょやん」(2020~21年、NHK総合ほか)で主人公の幼少期を演じた毎田暖乃が務める。
「蒔田さん、毎田さんとも初共演ですが、蒔田さんとは親子3人幸せだった頃から撮影が始まったのが救いかな。石田ゆり子さんがあの通り明るい方なので、すんなり(笑)。毎田さんはとにかくよく笑う子だなという印象ですが、まさに『天才子役現る!』で、この作品は完全に彼女が主役の物語だと思うんですよ。大人として振る舞わなければならない難しい役なので、僕はその精神的サポートをしていきたいですね。そして、将来彼女が大人になって主演する映画に呼んでいただければ…なんてね(笑)。とにかく、彼女も僕と同じく関西出身なので、調子に乗り過ぎて関西弁が出ないよう、お互い気を付けなきゃなと思っています」
貴恵の死後、圭介と麻衣は人生を前向きに生きることを諦めていたが、2人の世話を焼く貴恵の生まれ変わりである万理華の登場で、生活に変化が出てくる。
「万理華が妻の生まれ変わりと信じるのか、信じないのか…最初は詐欺師かと疑うけれど、人って何かを信じることで生きていける部分が、すごく大きいと思うんです。信じる対象があるだけで、楽になることもあると思うし。ただ、もし自分の身にこんなことが起こったらと想像すると、うれしい、信じたいって思えるかなぁ?…そこは物語の今後にも関わってくると思いますが、10歳まで万理華として生きていた子が、なぜ突然貴恵の記憶を取り戻したのかも気になりますよね。それに彼女が本当に妻でも、大人になるのを待って再婚、なんて結末にはならないでしょう(笑)。だから、今は早く台本の続きが読みたいです!」
家族とは何か、真摯に向き合った作品だが、自身にとって家族とは?
「“最も身近な他人”かな。命を懸けて守るものであると同時に、血を分けた子供であっても、自分とは全く別人格の他人だなと思うんです。もちろん所有物でもないし、他人だけれど、一番近い。そんな存在」
取材・文=magbug