そんな小日向はこの日、68回目の誕生日を迎えた。「あんまりうれしい歳じゃないですね。というか、ここまでよく元気にやってこれたなぁって思います(笑)」とちょっと照れながら、「『コンフィデンスマン』が日本の不朽の名作“寅さん”(「男はつらいよ」)シリーズみたくなったらいいなって、映画の第1弾の時に言ってたんですけど、それになりつつあるので、今朝何気に『渥美清さんっていくつまで現役でやってたんだろう?』と思って調べてみたら、68歳でお亡くなりになっていたんです。僕、その歳になったので(笑)」と話すと、長澤が「みんな、リアクションに困ってます」とツッコミを入れた。
さらに「少しずつ、僕はフェイドアウトしてもいいのかな、なんてことを今日、チラッと思ってみました」と小日向が話を続けると、長澤は「そんなこと言いながら、小日向さんはこのメンバーの中で一番元気ですから。私たちを引っ張ってくださってるのは小日向さんなんです。みんなで一つの作品を長く続けられるとは思ってなくて、でもその中心にいて、みんなをまとめてくれて、そのみんなが自由に動けるのは小日向さんのおかげですから」と感謝の言葉を伝えた。
「本当にそんなこと思ってんの?」と小日向に聞かれた長澤は「思ってますよ!」と即答。「コヒさんがいなかったら、もっとだらけていたような気がします(笑)。スタッフもキャストも仲がいいのでゆるい現場なんですけど、小日向さんがいるから締まるみたいなところがあって。それに、どのゲストさんが来ても、小日向さんが率先して温かい心で受け止めてくれるので、みんな小日向さんに付いて行ってます。いつまでもお元気でいてください」と温かい言葉を掛けると、小日向は「ありがとう、まさみちゃん。頑張ります!」とニッコリと笑顔を見せた。
映画「コンフィデンスマンJP 英雄編」は全国公開中。
◆取材・文=田中隆信
ポニーキャニオン