俳優の志尊淳が2月18日、都内で行われた短編映画制作プロジェクト「MIRRORLIAR FILMS(ミラーライ アーフィルムズ) Season2」公開初日舞台あいさつに、Azumi Hasegawa氏、駒谷揚氏、柴咲コウ、柴田有磨氏、山田佳奈氏、山田孝之とともに登壇した。
本作は、伊藤主税氏(and pictures)、阿部進之介、山田孝之らが「だれでも映画を撮れる時代」に、自由で新しい映画製作の実現を目指して、年齢や性別、職業、若手とベテラン、メジャーとインディーズの垣根を越え、切磋琢磨しながら映画を作り上げる短編映画制作プロジェクトの第2弾。
ゼロから作品を作るのは大変
志尊は、無縁社会に生きながらも“つながり”を求めてもがく人々の物語を描いた「愛を、撒き散らせ」で監督デビューした。
「一度は撮ってみたいという思いがありながら、それが具体的に進むことはなかったんですけど、今回企画をいただいて、何を描きたいかと明確なものがあるわけではなかったんですけど、自分がやりたいことをやろうと思ってやってみました」と胸を張り、「僕ら(俳優)は脚本をもらった時点からなので、やっぱりゼロから作品を作るのは大変で、いろんな方の労力があって作られているんだなっていうのを感じられるきっかけになりましたね」と思いを吐露。
メガホンをとるにあたって意識した点については「一番は、自分が向き合わなきゃいけないものだと思って、それを作品にしたのが大きいですね」と言い、「先入観であったり偏った意見を投影したくなくて、フラットに見てほしいと思ったので、作為的なものをなるべくなくして、どれだけ見せられるかというところを意識して作りました」と語った。
板谷由夏への演出「言えなかったです(笑)」
主演は、役者の先輩である板谷由夏が務めたが「(演出の指示は)言えなかったです(笑)」と笑い、「それは重々分かっていて、言葉を選びながらになるんだろうなと思いつつ、僕は板谷さんを女優としても人間としても大好きなので、この脚本を読んでいただいてどう処理していただいても信頼があったので、板谷さんに演出はほとんどしていないですね。板谷さんが演じてくださったありのままを切り取れればなという思いでやりました」と打ち明けた。
また、俳優である自身が監督業をやったという感想を求められると「挑戦状じゃないですけど、試されている感じがして、最初は“よく見せたい”という思いで作っちゃっていたんですけど、途中でそんな必要はないと思えて、皆さんのお力添えでやっと完成しました」と晴れやかな表情を浮かべる。
さらに、監督再挑戦については「本当に労力がかかるので、『やりたいです!』とは簡単に言えない」と言いつつ、「すごく興味がありますし、やらせていただける機会があるんだったら、俳優をやりながらではなく監督としての時間で向き合ってみたいなとも思います」と笑顔を見せた。
◆取材・文=風間直人
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