観客の想像で補完する舞台と、映像で補完する映画
荒牧：舞台ではお客さんの想像に任せる部分もあるんですけど、映画ではそういうところを映像で補完できるのがいいところ。逆に舞台は観客の皆さんが自身の想像力で世界を描けるところが魅力だと思います。演じる方としては、映画と舞台では全然違いますね。それこそ発声の仕方から違うんですよ。それに、大きなスクリーンに顔のアップが映ると、視線や瞬きの一つ一つでセリフの意味が変わってきちゃったりもするので、そこは意識はしましたね。
水江：カット数もありますしね。映画は同じシーンを違う角度から何度も撮るんですけど、舞台は一発勝負だから、本当に全然違うんです。
荒牧：セットもすごかった！ 自分たちの想像の中にあった劇場や寮がセットとして立体になったこで、より想像力が膨らんだというか。立派な建物だったよね。（笑）
水江：立派でしたね！ 撮影に入る前からセットがすごいという話は聞いていて、楽しみにしてたんですけど、本当に豪華で。ここにみんなが住んでるんだなとか、この舞台に立つんだなとか、寮や劇場のリアルなところが見えたのが印象的でした。
荒牧慶彦と北園涼、撮影中に夢中だったのは…
映画では、これまで舞台でも演じてきた秋組、冬組の旗揚げ公演までの軌跡が描かれる。映画の撮影中に印象に残っていることは？
荒牧：元々舞台でもやってきたお話ではありますが、僕は紬が丞(北園涼)に思ってたことを言われて、自分の気持ちをお互いに吐露するシーンがお気に入り。舞台で演じていたときからこのシーンが好きなんです。
水江：僕は、太一(赤澤遼太郎)のポートレイトのシーン。僕も、舞台のときからこのシーンは稽古場で見ていて、ものすごく心を動かされて印象に残っているので、今回の映画の撮影でもその感覚をカメラの前で思い出してました。
荒牧：紬と丞だと、ずっと一緒に行動しているから、撮影も２人だけで進行することが多くて。撮影中に時間が空くと、２人でずっとチェスしてました。寮の小道具としてオセロとかチェスとかジェンガとかが置いてあったんですよ。それで、チェスやってみる？ってなって。（笑）
水江：え、ルール分かるんですか？
荒牧：携帯で調べながらやってた。将棋とほぼ一緒だから。
水江：そうなんだ。
荒牧：最初の頃は僕の方が強かったけど、涼って極めたがりというか。どうやら家でもチェスの勉強をしていたみたいで(笑)。どんどんうまくなって、最終的には涼の方が強くなってましたね。
現在公開中
出演＝水江建太、中村太郎、赤澤遼太郎、稲垣成弥、藤田 玲、荒牧慶彦、北園 涼、植田圭輔、田中涼星、上田堪大ほか
