仲間意識を持ってくださってたこともうれしかった
――5年ぶりの続編ということになりますね。
はい、ハナコの岡部(大)とかじゃなく、自分がまたグンターの声を担当することができてよかったです(笑)。
――バスター・ムーン役の内村さん、アッシュ役の長澤さん、ジョニー役の大橋さんなど、前作から続投の方もいて、新キャラも登場するので新キャストの方もいて。
アフレコを一緒にするわけじゃないんですけど、同じく続投されているキャストの方がいると安心感がありますね。この続編が決まった後、番組の収録で内村さんとすれ違った時に、「おう、またよろしくね」って言われて、一瞬、「何のことかな?」って思ったんですけど、「『シング』のことを言ってくれてたんだ!」って気付いて、仲間意識を持ってくださってたこともうれしかったです。
――アイナ・ジ・エンドさんやジェシーさんらが新キャストに。
パワフルで若い人たちが加わったのもいいなぁって思います。個人的にアイナさんの歌が好きで、ちょっと前もかなりハマって聴いてたりしたので、「アイナ・ジ・エンド、来た!」って感じで、制作発表のイベントで一緒になった時に舞い上がっちゃって「いつも聴いてます!」ってめちゃめちゃ痛いファンみたいなこと言ってしまいました(笑)。
――いろいろ期待も高まっていますが、5年ぶりのグンター、すぐにスッと入っていけましたか?
そうですね。5年ぶりではありますが、前作が公開された後もYouTubeでグンターと僕が踊っている動画が結構見られたりしていて、お笑いの営業でいろんな所に行っても、子どもたちがグンターのうちわを持っていたり、グンターの写真を持ってきて、「サインしてください!」って声をかけてくれたり、グンターが生き続けてくれてるんだなって感謝してました。
でも、いざ続編が決まって、時間もたってますから、「僕、どんな声を出してたっけ?」と思って前作を見てみたんです。そしたら普通に僕の声でした(笑)。小手先のワザがあるわけでもないですからね。なので、今回も監督(日本語吹替版の音響監督・三間雅文氏)の助言などもあって、腕のいい歯医者ぐらいの時間で終わりました。“気付いたら終わってた”って感じでしたね。
――監督からの指示やアドバイスが有効的だったということですね。
はい、「こういうふうにやってください」って伝えるのが監督さんはめっちゃうまいんです。お笑いの仕事だったら事前に「どうしようかな?」「こんな感じでやってみようかな」っていろいろ考えますけど、声優のお仕事に関しては0(ゼロ)の状態で臨んだ方がいいなっていうのを前回の時に学びました。
“声優業”は「『まだまだ未熟だな』って」
――斎藤さん自身から見た“声優”の仕事の手応えは?
いやぁ、果たしてこれで合ってるのか?って言われると、「まだまだ未熟だな」って正直思います。でも、「グンターはこういうキャラだからぶっきらぼうでもいいか」とか自分の役割を把握しながらやれてるので、まぁいいんじゃないかなって思うようにしてます(笑)。
ただね、監督さんが「〜だぞ」とか「ぺ!」とかを入れてこようとするんです。ありがたいんですよ!?ありがたいんですけど、プレーンな声でいたい自分もいるので、逆に断りたいです(笑)。
――どういうところがグンターの魅力だと思っていますか?
底抜けの明るさと何にでも物おじせずにチャレンジするところですね。周りのセンシティブだったりデリケートだったりするキャラクターにも「一緒に頑張るからやっちゃおうよ!」みたいな感じで接していて、隣にいてくれたらうれしくなる存在かなって思います。昔、作家の村上龍さんが「空気なんか読むな」って言ってたんですけど、それを体現したようなキャラですね。今回も、詳しくは言えないんですけど、グンターが思ったことをパッと言っちゃったことで話が展開する場面があるので注目してもらいたいです。
――斎藤さん自身とは似ていますか?
いやぁ、僕は意外とデリケートな人間なのでグンターとは真逆かもしれません。「こういう時にはグンターイズムがあればなぁ」ってうらやましく思うこともあります。僕も一つギアを上げて突き抜けちゃえばいいんですけど、その前にちょっとためらったりして足踏みしてしまうので見習わなきゃなって。
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