第1話の試写室記事で、「強い女性に巻き込まれるのは、いつだってこういうイケメンだ、という平安時代からの格言通り、実に絶妙な巻き込まれイケメンっぷり。それも心の声がまた面白く、悔しいがいちいちかわいい」と書かせてもらったが、第2話ではその“心の声”がますますパワーアップしていた。
じーっと見詰めてくる櫻子に対して「う~ん…穴あくほど見られていますけどぉ~?」とか、櫻子に力いっぱい腕をつかまれたときに「肉つかんでますけど…めっちゃ痛いんですけど…!」と小動物のような心の声を出したかと思えば、ホッケの骨を見詰める櫻子に「食い気より骨けぇ~! YEAH~!」といきなりラッパーに転身?したり…。
何か心の声を使ってやりたい放題やっているような。
その他、全部書いてしまったら見るときの楽しさが半減してしまうので割愛するが、今どきの少年…いや、青年ならではの素直な言葉が心の声としてどんどん流れてくる。実際の喋りは好青年のそれなのだが、心の声ではキャラが一味違う。
ただ、誰に対してもズバズバ言いたいことを言ってしまう櫻子のような人はともかく、一般ピーポーなら誰だって同じだろう。言いたいことも言えないこんな世の中だからこそ、心の中では好き放題言いたくなるのだ。
あとは予告編でもチラッと流れていたが、今回は刃物を突き付けられる藤ヶ谷の姿が特に注目だ。そうそう予告編といえば、いつも思うがドラマの予告映像を作る人の絶妙な“つまみ具合”には脱帽。
WEBニュースで言うところの、“釣り見出し”ではないが、「マジで? えっ?」というシーンを絶妙につまんでつまんでつなげて、視聴につなげ、一通り見終わった後にそういうことか~と納得させる。決してうそをつかずに、信じがたい場面をちょい見せする。その技術はこちらの仕事にも通じるところだと思うので、ぜひ勉強したいところだ。
キャラといえば高嶋政宏も忘れちゃいけない。第2話では「山手線ゲーム」のシーンから現れるという破天荒な登場。刑事役でもこれまではかなりの硬派なキャラクターが多いイメージな彼だけに、本作での役どころはかなり新鮮だ。
「俺の山手線に終電はねえ!」には、鼻水を吹き出すくらい笑わせてもらったし、山手線ゲームのお題「刑事が言いそうな言葉」って。これ考えた人天才だろ。刑事じゃないけど、刑事ドラマを見過ぎてほぼ刑事脳の身としては、絶対にやりたい。誰か披露する場(合コン)をセッティングしてくれないかしら…。
さておき、今回の物語においてキーパーソンである少女を演じる吉澤梨里花ちゃん。表情といい、言葉の発し方といい、自然な演技といい、この方にもまたとんでもない才能を感じる。まさに“惚れボネするうまさ!”だ。先日の大西利空くん(10歳)といい、テアトルアカデミーさんの底力を見せつけられた気がした。
私も子役として劇団4年3組で「桃太郎」に野鳥B役で出演したことはあったが、正直あの年齢(6歳)にして観月や高嶋、藤ヶ谷ら俳優を相手にあそこまでの演技を見せるのは相当なものだろう。今後、どんな女優になっていくのか、楽しみだ。
そして、今回の観月。少女に一生懸命骨について説明する姿や、何だかんだ言って少年(藤ヶ谷)を心配して見守る姿はとてもほほ笑ましい。不器用ながら、実はものすごく愛にあふれた人なんだろうなというのが容易に想像でき、回を追うごとに藤ヶ谷との“タッグ”がどうなっていくのか、期待したい。
と、人見知り過ぎて口ではうまく説明できないので、“心の声”をキーボードに載せてみた。
毎週日曜夜9:00-9:54
フジテレビ系で放送