レグロスの動きとかも子どもたちにまねされたらうれしいな
――レグロスも拳法の使い手ですが、仲村さん自身は拳法や格闘技の経験は?
経験はないんですけど、一時期、拳法使いが一番かっこいいって思っていた時期がありました。男の子はそういう時期があったりするのかもしれないんですけど、憧れたりしましたね。だから今回、こういう役ができるのがうれしいですし、自分にもあの動きを教えてもらいたいぐらいです。
――アクションで憧れた人とかがいたら教えてください。
ジャッキー・チェンの映画はめっちゃ見ていました。あと、ブルース・リーも。カッコいいのでついついまねしちゃうんですよね。レグロスの動きとかも子どもたちにまねされたらうれしいなって思います。
――仲村さんにとっての“ヒーロー”とは?
心の芯の部分がワクワクしたり、プラスの方向に気持ちを動かしてくれるのがヒーローだと思います。
――今回のタイトル「運命の衝突」にちなんで、これまでの活動の中で“運命”だったなって思う出来事を教えてください。
いろいろありますけど、一番大きいのは声優になったことです。元々は音楽がやりたくて18歳の時に沖縄から出てきました。ライブハウスでライブをしたりしても鳴かず飛ばずで、お客さんも増えなくて。26歳の時に声優になったんですけど、右も左も分からない状態でスタートしましたが、面白さややりがいをたくさん感じられて、いろんなつながりもあって、今、ウルトラマンレグロスにもなれたので、声優でデビューしたこと、声優になったこと自体に運命めいたものを感じています。
――いろいろ模索しながらもやりたいことを見つけて、それを仕事としてできるというのは、まさに運命とか巡り合いだったりしますよね。
はい。上京した時は「音楽じゃなきゃダメだ!」って、周りを見られない感じだったんですけど、楽しいことっていくつあってもいいんだ、人生の中で楽しいと思えることが多くあればあるほど人生をより彩れるんだ、って。それは声優の仕事をするようになってから感じるようになりました。
――結果的に、今、アーティストとして音楽でも活動されてますし。
そうなんです。そういうふうに気持ちの切り替えができたからこそ、今のように声優とアーティストの2本柱でできているのかなって思いますね。
――仲村さんの場合、26歳だったわけですが、どのタイミングでもそういう転機は誰にでも訪れそうな気がします。
僕もそう思います。年齢を重ねるほど、“行動”が億劫(おっくう)になりますよね。納得できないことがあったり、変えたりと思っていてもなかなか行動に移すことができにくくなるというか。でも、変えられるのは“行動”しかないのかなって。行動できる人間って強いなって思いますし、僕もそうなりたくて自分で動きました。
リスクを考えてしまうんですけど、そればかり気にしていたら楽しい方向に転がっていかないなと思いましたし、さっきの“ヒーロー像”じゃないですけど、その一歩を踏み出すことで自分が思う“ヒーロー”にも近づけるのかなって思います。
もっともっとたくさんの人生を声で演じてみたい
――幅広くお仕事をされていますが、今後やってみたいこと、さらに広げていきたいと思っていることは?
声優の仕事が好きなので、もっともっとたくさんの人生を声で演じてみたいです。あと、音楽活動に関してもいろんなチャレンジをしたいですね。どちらも声を使った仕事ですけど、声優は役が主体で、アーティストとしては歌詞も書いたりしているので“仲村宗悟”として表現できる場でもあるので、表現するという大きなくくりでは同じですけど、ジャンルは違うのでどちらも大切にしていきたいです。
――では最後に、見どころを含めて読者の方にメッセージをお願いします。
「ウルトラギャラクシーファイト」シリーズには歴代のウルトラマンがたくさん登場していて、本当に夢の共演と言える作品です。地上波の良さというのももちろんありますが、配信はより手軽にいろんな世代、いろんな場所の方に見ていただけるので、今の時代にすごく合っているなって思っています。
映画やアニメなどの映像作品や音楽を含めた“芸術”は、それぞれの感じ方で楽しんでいただくのが一番だと思いますが、「ウルトラギャラクシーファイト」シリーズは、味方や敵の内側の思い、心情、派手な共闘バトルがありますので、映像的にも楽しいし、考えながら見ても楽しい作品になっています。大人も子どもも見て楽しめるのもこのシリーズの魅力だと思っていますので、ぜひたくさんの方に見ていただけるとうれしいです。
◆取材・文=田中隆信