「この先どんな人に出会えるんだろうって楽しみですよね」
――すでにミュージカル「DREAMGIRLS」への出演も決まっていますが、この先の展望として考えていらっしゃること、今目指しているものなどがあれば教えてください。
これっていう具体的なものはないですけれど、自分の中で、やっぱり歌っていうのはすごく大きくて、歌に関してはもっと勉強していきたいと思っています。あとは、せっかく挑戦させていただくならば、その挑戦をいいものにしていきたいという思いはあります。今はまだ、いろんなものを吸収していく時期だとおもいますので、作品だったり、さまざまな現場でご一緒する皆さんから受けるものをしっかり吸収して、自分に何か身につけられたらと思っています。
――男役をやれない寂しさよりも、まだ未知の女性役の世界を楽しんでいらっしゃるんだなと、舞台を拝見していて感じます。
宝塚を退団するときには、自分がこんなに楽しいって言ってることが想像がつかなかったですけれど、今、舞台に立っていることが楽しいし、本当に好きなんだなってすごく感じています。男役を卒業して、やっぱり慣れないことはたくさんあって、いまだに自分の中で気持ち悪さもなくはないです。ただ、誰かの人生を生きること自体は、男役の時から何も変わらないと思ったし、それが一番好きなことなんだとあらためて感じています。男役をやれない代わりに、今までやってきたことと全然違う人物に出会える。この先どんな人に出会えるんだろうって楽しみですよね。
――女性役があまりに違和感なかったので、いまだに気持ち悪さはある、とおっしゃるのが意外です。
良かったのは、「INTO THE WOODS」も「next to normal」も、共演者に、男役時代の私を知らない方々が多かったということです。元宝塚というくらいの情報しかなく、どういうことをしていた人なのか知らない方々の中にいたことで、男役ではなく、普通に俳優のひとりとして扱っていただいたことで、私自身も気負わずできたと思うので、それはありがたかったです。
――今、プライベートでハマっていることや、大事にされていることはありますか?
今は、いい睡眠をとることですね。いいパフォーマンスのためには睡眠が大事ですから、そのための準備を楽しむようにしています。電気をちょっとずつ暗くしてキャンドルを点けたりとか、YouTubeでいい睡眠に誘ってくれる音みたいなものを聴いていたりとか。宝塚在籍中は、一日一日、体力も気力も限界まで使い果たしていたので、パタッと寝られたんですけれど、たぶん今はまだ、あれだけ使っていたエネルギーを持て余しているのか、もう寝る時間なのねっていう状態で1日が終わるんです。だからどうやって寝たらいいのかわからなくて…(笑)。どうやったら速やかに眠れるか、考えたいなと思っています。
取材・文=望月リサ