大反響だった“ゴリエ復活”、今の時代に求められる理由は「ポジティブさ」
――30代前半の頃に演じていたキャラクターを50歳目前で復活させることに対して、葛藤などはありましたか。
葛藤はめちゃくちゃありましたよ。ゴリエは、昨年2月に行われた宮迫(博之)さんとのYouTubeのコラボで復活したのですが、宮迫さんから誘われた時には「いや~、今さらゴリエですか…痛々しくならないですかね?」とずっとやるかどうか迷いました。でも一応フジテレビへ確認したところ、「どうぞやってください」とまさかの許可が下りたし、当時のかつらも衣装もすべて保管しておいてくれていたんですよ。そこで「じゃあ、やりますか」となったんです。
――「新しいカギ」では16年ぶりに「Pecori Night」を踊ったことでも話題になりました。
あの時は1カ月ダンスの練習をしましたね。やるからには「やっぱりおじさんだな」とは言わせたくなくて、30代の身体に戻したかったんです。そんな思いで必死に特訓を続けたら、収録本番では当時のキレを取り戻すことができました。でも、満足して家に帰って寝たら、次の日の朝はぎっくり腰で立ち上がれなかったです(笑)。まさに満身創痍で、それぐらい無茶していたんだなと思いましたね。
――やはり反響は大きかったですか。
復活の後は、視聴者さんからの反応も怖くて。「今さらやるなよ」「見てて痛々しかった」とか言われたら嫌だなと思っていたんですが、「久しぶりに見れてうれしい!」みたいな良いコメントしかなく、本当にありがたかったですね。知り合いからも「泣いた」とか「よく頑張った」とか連絡がかなり来て、返信だけで何時間もかかりました(笑)。
――ゴリさんから見て、現在、ここまでゴリエが世間から求められている理由は何だと思いますか。
僕は絶対にコロナの影響だと思います。コロナによって、仕事をやりたくてしょうがないのに廃業に追い込まれたりとか、勉強したいのに学校に登校できないとか、みんなのやる気を削ぐ苦しい状況が続いてきました。そしてゴリエちゃんも、ずっと虐げられたり男に遊ばれたりと、苦しい状況の中で生きてきました。なのにあの子は、「ゴリエは人の役に立っているんだから、私が別に苦しいのは構わない。ポジティブに考えよう」って明るく生きてるんですよ。
そういったゴリエの姿に対して、過去にゴリエを見てくれていた方々は「そうだ、ゴリエちゃんって常にピュアで明るくて、どんな時も笑顔で困難を乗り換えたよね」と思ってくれる。なので、ゴリエの“前向きに生きる元気や気持ち”が、今の時代に求められているのではないでしょうか。
文、撮影=こじへい