SF要素が加わって謎が深まるミステリアスな展開
慎平が島に戻って来た理由は、さきほど夢(?)に出てきた、幼なじみ・小舟潮の訃報を聞き葬儀に参列するためだった。夏の日差しでキラキラと輝く海に包まれた離島の美しさに目を奪われつつも、どんどん謎が積み上げられていく。
慎平の親友・菱形窓によると、潮の死には他殺の可能性があること。潮が助けようとして命を落とすことになった少女が家族全員で消えてしまったこと。「自分にそっくりな“影”を見た者は死ぬ」という島の伝説。そして、そもそも、慎平の目が左右で色が違うオッドアイなのはなぜか…。
やがて、慎平は澪の“影”に出会い、凶弾に倒れる――。だが、気付くと島に戻る船の中だった。夢やデジャヴではなく、タイムループだと分かった慎平は、悲劇を繰り返してはいけないと行動を起こしていくことになる。
タイムループというSF要素のなかで、慎平がどのように“影”と対峙していくのかが、物語の面白さを増していくのである。
不気味な“影”の表現も秀逸
第2話で慎平は、澪の“影”が、ある人物を刺し殺すのを見てしまう。そこで、フラッシュが光り、澪の“影”の全身が光に包まれたあと、少々ややこしい表現になるが、“影”である澪の地面にできた黒い影にノイズが走り、そこから黒い物体がムクムクと立体的に現れ、刺し殺した人物の“影”となった。
“影”が影から誕生していく様はなんとも不気味だ。しかも、“影”となった人物は一見では判断できないほど、本人と化している。ここでも現れたノイズというデジタル調の表現。そして“影”がその人物の“データ”をコピーしたような描写。これによってサスペンス感がグンと高まる。このキャラクターは“影”なのか、そうではないのか、怪しい緊張感に包まれながら物語に引き込まれていく。
やがて、夏祭りの日に慎平の前に現れた潮の“影”。しかし、潮の“影”は澪の“影”とは違い、邪悪な印象はない。それは本当かと思っているうちに、夏祭りの会場で“影”による大虐殺が起きてしまう。
https://www.disneyplus.com/ja-jp/series/summer-time-rendering
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