コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットな漫画情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、おだかけんたろうさんの作品をご紹介。おだかさんはギャグ漫画家として商業誌で作品を発表するかたわら、Twitterで1〜4コマ漫画を精力的に発表。しばしば1万以上のいいねを獲得している。予想外なオチで爆笑をさらうおだかさんに、漫画を描く時に意識していることなどを聞いた。
ネタ切れなし!読後感を生かすためツッコミは不在
おだかさんの作品の中でも一番反響が大きかったのは「帰り道」。下校時に近所の人から「おかえりなさい」と言われて、なんと返事すればいいのか悩んでしまう小学生の女の子。きっと彼女は「ただいまー!だとフレンドリーすぎるし、でもこんにちはも違うだろうし……」と思考がぐるぐるしていることだろう。そして「あ……あ……」としか言えずに立ち去ってしまう。その背中を温かい眼差しで見送る近所の人が思うことは「『お帰りなさい』になんて返したら良いのか分からなくなっている子を肴に飲む酒は最高ね」だった。この作品は女の子と同じ経験をしたことがある人の心を鷲掴み。自分はどうしていたかを語る人が続出し、15.5万いいね(2022年6月時点)を獲得した。
そもそもおだかさんがTwitterで1〜4コマ漫画を発表するようになったのは自己PRのためなんだそう。
「商業誌で連載を持つことを目指しているので、その宣伝になれば良いかなと思って描き始めました。ただ、1〜4コマ漫画を描くこと自体が楽しくなってきたので、若干手段と目的が入れ替わりつつありますね…」
そうしてほぼ毎日、作品を投稿。ネタ切れが心配になってしまうが、「日常的にネタは考えていて、溜まったらまとめて描くスタイルですが、ネタに詰まるということはないですね。単純につまらない日はあると思いますが。ネタはきっかけになりそうな物を見つけたら、その度にメモをするようにしています」というこれからも楽しみになる答えが返ってきた。
おだかさんの1〜4コマ漫画はシュールになりすぎず、それでいて予想外のオチがくるのが特徴だ。漫画作りにおいて何に気をつけているのだろうか。
「気をつけているのはツッコミを入れないようにしていること。その方が、読後感がモヤモヤして良いかと思っていて。1〜4コマまでの漫画を書いていますが、1コマ漫画は物理的に描く量が少なくなるので楽です。ただ、その代わりタイトルはネタ振りになるので、凝ったものを考えるようにしています」
最後に読者の方へメッセージをもらった。
「センスがあるって言われるとうれしいです。でも、コメントをもらえたらなんでもありがたいですね。いつも読んでくれてありがとうございます。これからも見てもらえたらうれしいです」
おだかさんに目標を聞くと「自分の作品が書店に並ぶことです。小さい頃からの夢なので頑張りたいです」とのこと。おだかさんによる爆笑必至の本が書店に並ぶ日も近いかも。それまでは予想外の1〜4コマ漫画を楽しもう。
取材・文=西連寺くらら