黒島結菜がヒロインを務める連続テレビ小説「ちむどんどん」(毎週月~土曜朝8:00-8:15ほか、NHK総合ほか※土曜は月~金曜の振り返り)。放送中の第13週「黒砂糖のキッス」では、“幸せ”を見つけるため悩む暢子(黒島)たち若者を導く大人たちの存在感が光った。(以下、ネタバレがあります)
房子オーナー、厨房に立つ
同作は、ことし本土復帰50周年の節目を迎えた沖縄を舞台に描かれる、料理に夢をかけたヒロイン・暢子(のぶこ)とその家族の物語。現在は、幼い頃からの友人で新聞記者の和彦(宮沢氷魚)、和彦の恋人・愛(飯豊まりえ)、暢子に一途に恋する幼なじみ・智(前田公輝)を巻き込んだ暢子の恋のいざこざが繰り広げられている。
和彦と愛の結婚話をきっかけに、和彦に恋している自分に気づいてしまった暢子は、厨房でも身が入らない。だがそんな時、矢作(井之脇海)ら3人のスタッフが突如店を辞め、厨房は人手不足で大ピンチに。第62回(7月5日放送)では、オーナーの房子が初めてコックコートを身につけ、ストーブ前に立った。
房子の仕事の手際は完璧。自ら次々と料理を仕上げ、スタッフたちの料理の味付けや盛り付け、段取りまですべてに目が行き届き、大忙しの厨房をテキパキと回していく。恋のモヤモヤも忘れ、仕事に没頭した暢子はその夜、不思議とスッキリした気分を味わっていた。
そこへ、愛が訪ねてきた。愛も、煮え切らない和彦の態度にモヤモヤを募らせていた。暢子は愛にウソはつきたくないと「うち、和彦くんのことが好き」と告白。そして、「きれいさっぱり諦める」と笑顔を見せた。
「うちもいつかオーナーみたいに…」
初めての恋に囚われていた暢子の気持ちを前向きに変えたのは、房子の人間としての大きさだった。ニーチェの言葉も引用して「あなたはどうしたいの?」と暢子の本心を引き出した房子。厨房での仕事ぶりも、視聴者からも「カッコいい!」の声が上がるほど堂に入っている。