河井CP「鎌倉時代はとても魅力的な時代だと思います」
――2021年は「歴史探偵」で、鎌倉時代を取り上げた放送がなかったように思いますが。
河井:歴史ファンが一番興味を持っているのは戦国時代なのかなと思っています。なので、これまでのラインナップで戦国時代が多くなってしまっている部分はあります。ただ、鎌倉時代が面白くないかと言うと全然そんなことはなくて、何本も取り上げられるくらいドラマチックな展開がある時代だと思っています。
この間も「元寇(げんこう)」を取り上げて、本当に神風が吹いたのかとか、モンゴル軍がどうやって攻めて来たのかなど、興味を引きつけられる話はたくさんありますし、「鎌倉幕府をどうやって滅ぼしたのか」という話の放送では、SNSで盛り上がったり、歴史ファンの反応も良かったりと、鎌倉時代はとても魅力的な時代だと思います。
ただ、2021年には取り上げずに今年に鎌倉時代を取り上げている理由は、「源義経」をテーマにした回の時に二朗さんのコネクションのおかげもあり、源義経の兄・源範頼を演じた迫田孝也さんに出演していただけたということもあり、やはり佐藤二朗さんが比企能員役で大河ドラマ「鎌倉殿の13人」にご出演しているというのが大きいです。
清水氏「新しい“三谷大河”における山本耕史が見れるのではないかと」
――「歴史探偵」チームと大河ドラマチームの間で、情報交換など互いの番組に影響を受け合うといったことはありますか?
河井:“大河チーム”とずっと連絡を取り合って、「歴史探偵」で源義経を取り上げるなどの情報共有はしています。これからさらにそういった関わり合いを作っていけたらなと思っています。
清水:「歴史探偵」は、伝統のある“歴史解説番組”で番組自体に長い歴史があるので、過去には大河ドラマの話を考えている時に「歴史探偵」で取り上げた人物を採用したということもありました。ただ、ドラマの放送中では台本が先に出来上がるので、なかなか「歴史探偵」を見てその時にドラマに登場している人物やその物語を変更するということは難しいです。
でも、今回の「鎌倉殿の13人」では歴史番組のディレクターが脚本開発に加わってくださっていて、ドラマ側とは違った視点、深さでリサーチをしてくれていて非常に勉強になっています。そういった形でNHKの歴史班の力を借りることはあります。
――山本耕史さんを三浦義村役にした理由をお聞かせください。
清水:山本耕史さんは三谷さんの信頼も熱い俳優さんですし、僕も大河ドラマ「新撰組」(2004年)や大河ドラマ「真田丸」(2016年)でご一緒させていただいて大好きな俳優さんです。今回、演じてただいている三浦義村は、北条義時の盟友でありながら、元々は北条よりも勢力の強かった相模の三浦党の総領息子なので、北条の隆盛を横で見ていく中でアンビバレントな感情を抱えていると思います。義時とは親友でありながら、それだけではない何かある感じは山本さんはお得意だと思い、お話しさせていただきました。
“三谷大河”で、山本さんがこれまで演じてきた土方歳三や石田三成とはまた違って、新しい“三谷大河”における山本耕史が見られるのではないかと思っています。