そんな馬場が、個性強めでぶつかりがちな第一班メンバーたちの中で緩和剤的な存在となっていく。これまでも、宙と荒井の小競り合いをなだめたり、輪から外れがちな仲間がいればいち早く気づいてフォローしたりと、細かいところまで行き届いた気配りを見せてきた。
演じる佐野は、ジュノン・スーパーボーイ・コンテストをきっかけに芸能界入り。初のドラマレギュラー出演だった「砂の塔~知りすぎた隣人」(2016年、TBS系)では主人公一家の長男を演じ、「あのカッコいい“お兄ちゃん”は誰!?」と注目を集めた。
2018年公開の映画「ちはやふる-結び-」での一風変わった後輩が評価され、第28回日本映画批評家大賞の新人男優賞を受賞。近年は、「ドラゴン桜 第2シリーズ」や「TOKYO MER~走る緊急救命室~」(共に2021年、TBS系)などの大ヒットドラマに立て続けに出演。「真犯人フラグ」(2022年、日本テレビ系)の橘一星を演じた際は好青年キャラからの“闇落ち”、罪を悔いての涙など印象的なシーンを演じ、話題を呼んだ。
「10キロ以上増量」ににじむ、強い覚悟
今年、24歳を迎えた。近年は演じる役も、生徒役や後輩役など導かれる立場から、先頭に立って引っ張る役柄、自らストーリーを動かす役まわりへと変わり始めている。「テッパチ!」で演じる馬場良成も、落ち着きがあり常に一歩引いていて、周囲をフォローしたり奮い立たせる役柄だ。
佐野は今回、クランクインまでに肉体改造して10キロ以上増量したという。馬場を演じるにあたり、精神的にも肉体的にもより大きく、たくましくなって意識的に“新たな佐野勇斗”を見せている印象だ。佐野にとってもターニングポイントとなりそうな今作、馬場がどんな成長を見せていくのかをしっかりと見届けたい。(文=ザテレビジョンドラマ部)
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