大泉洋が考える、おもしろい脚本
ーー俳優業がメインではありつつ、バラエティ番組への出演なども続けている印象です。俳優業とそれ以外の仕事のバランスは、どのように考えているのでしょうか?
瞬発的に人を笑わせることと、時間をかけてドラマや映画、舞台を作っていく作業を同時に両方やっていないと落ち着かないんですよね。もともと「笑わせたい」という思いがあったと言いつつ、芸人さんになるという道には進まなかったんですね。それは大学時代にやったアルバイトの延長線で『水曜どうでしょう』が始まっちゃったから「芸人になるんだ」という強い信念を持たずに、おもしろいことをしてメディアに出られたからだと思っています。
ただ、北海道で10年間「おもしろい」だけを繰り返していく中で少しずつ他のことに挑戦したい自分がいたのも事実。それで「何か物を作りたい」という衝動に駆られて今に繋がっているんだと思います。そう考えると、この出方がよかったんだろうなと思いますし、本当に幸運ですよね。
ーーキャリアを積む中で役柄的にも立ち位置的にも真面目さを求められることも増えたように感じますが、その一方で「おもしろいことをやりたい」との思いが変わらないのだなと感じました。今後やりたいことがあれば教えてください。
役柄的には超シリアスでも超コミカルでも問わないのですが、おもしろい脚本に出会いたいという気持ちは大きいと思います。大人も楽しめる上質なコメディみたいなものへの憧れはずっとあるんですよね。
ーー大泉さんから見たおもしろい脚本って、具体的にはどのようなものなのでしょう?
海外ドラマを見ていると、日本のドラマは会話のおもしろさよりも、展開していくためのセリフが多いのかなと感じることがあります。だからこそ、会話で展開していくような作品があればいいなとは思いますね。
取材・文/於ありさ
ヘアメイク/白石義人(ima.)
スタイリスト/九(Yolken)