魅力3:“言われたいワード”製造機
粋から出る言葉は、グッとくるものばかり。飛行機が初めてで乗るのが怖くなってしまった中学生に「大丈夫!飛行機は世界一安全な乗り物だから」と、頼れるお兄さんぶりを見せたり、少し話しただけの真夢に「誤解されやすいでしょ?」と、無愛想なのではなく本心を表すのが苦手なんだ、と見抜いたり。そのときに言ってもらえたらうれしい言葉をくれるのだ。
真夢の実家から帰る夜道で、「夜の管制塔から見える飛行機もきれいですよ」という真夢に「それ見たい。絶対見たい」と真摯なまなざしで言い、「約束」と小指を出す。自分の言ったことにこんな反応をされたら、もし何とも思ってなくても好きになってしまう。
そして、真夢の悪口を並べて、自分よりどこがいいのか、と詰めるかすみに「そんなのは比べるものじゃない」とハッキリ言い、自分の悪いところを教えてくれ、と言われて「いいところなら教えられるけど。悪いとこ見るよりいいとこ探した方が絶対いいって」とポジティブに返す。決して相手を否定するようなことを言わないところもグッとくる。
そして極め付きは第4話。寝起きのアップで「おはよう。そろそろ起きようか」。相手は幸い女性ではなく、酒木の息子のショーン(シモン・イヴァノフ)だったが、自分に脳内変換して“もえた”女子がてんこ盛り。「破壊力すげー!」「笑顔が優しすぎてしんどい」と撃沈コメントの嵐だった。
また、キャンプ場で真夢がヤンキーに絡まれたときは、グッと抱き寄せ「この人、オレのなんで!」。「“オレの”…言われたすぎる」「こんなの、ときめかないワケがない」と、またまた“言われてみたいワード”が飛び出した。
キャンプの朝、転びかけた真夢を支えた粋にお礼を言った彼女に「ホントに変わったよね、渋谷さん。前みたいに固まってる渋谷さんも面白くて好きだったけど」と言って顔を覗き込んだ粋。相変わらず顔が近い。
ハッと気付いて「すみません!ちゃんと段階踏みます」と反省する粋を追いかけて、彼のシャツの裾をつかんだ真夢。もう少しここに居ようと言う彼女に「はい」と返事をした粋。「うん」じゃなくて「はい」。程よい距離感が心地良い。愛おしそうに真夢を見つめるまなざしも優しくて、見ているこちらまで幸せな気持ちになる。
玉森が演じているためルックスが良いのは当然だが、内面も好感度抜群。視聴者を引き付ける要素がこれでもかと詰め込まれた“粋”は、今後も放送のたびにSNSをにぎわせることになるだろう。
◆文=ザテレビジョンドラマ部