ピクサー・アニメーション・スタジオの第1作にして、世界初の長編フルCGアニメである「トイ・ストーリー」(1995年)で、カウボーイ人形のウッディと共に活躍した最新型のおもちゃ、バズ・ライトイヤー。その原点を描く、ディズニー&ピクサーによる映画「バズ・ライトイヤー」が、8月24日にディズニー公式動画配信サービス・ディズニープラスで配信された。「トイ・ストーリー」で、おもちゃの持ち主であった少年アンディがバズの大ファンとなったきっかけとなったのがこの映画という設定で、本作を見ることによりアンディの気持ちを追体験できるものとなっている。(以下、ネタバレを含みます)
“ウラシマ効果”で4分後が4年後に
同作は、「トイ・ストーリー」シリーズで誰よりも仲間思いの“スペース・レンジャー”バズ・ライトイヤーの原点を描いた物語で、2022年7月1日の劇場公開後初週3日間で興収3億8千万円、動員26万人超えを記録したヒット作だ。吹き替え声優は「キャプテン・アメリカ」などでおなじみのクリス・エヴァンス、日本版は鈴木亮平が担当している。
スペース・レンジャーのバズは仲間のアリーシャらと共に1200人が乗船している宇宙船で居住可能な惑星を探査中、惑星の生命体の襲撃に遭い撤退。宇宙船を操縦するバズは自分の腕を過信して船を損傷させ不時着させてしまう。宇宙船の乗員たちが惑星の資源を使ってコロニーを作り生活を続ける中、1年後にバズは故郷の地球に帰るための航行に必要なハイパースペース(ワープ航法みたいなもの)テストを行うが燃料がうまく機能せず、4分間のテストは失敗。しかも、相対性理論による“ウラシマ効果”の影響で惑星では4年経過してしまうことが判明する。
その後もバズはテストを繰り返すが成功せず、ついに惑星は62年以上経過してしまい…。この流れが冒頭から20分ほどでテンポ良く展開。バズがテストから帰還するたびに仲間だったアリーシャが結婚し、子どもや孫が生まれているという描写で時間経過を見せていくのがうまい。アリーシャが亡くなった後、彼女の部屋でバズが残された映像メッセージを見るシーンは思わずグッときてしまう。
バズたちとザーグ軍の戦いへ
ここまで見て、最初この作品はバズがハイパースペースを成功させて地球へ帰還するのを描いていくのかなと思った。しかし、相棒である猫型ロボット(活躍シーンなどを見ると「スター・ウォーズ」のR2-D2を想起させる)のソックスの計算によりハイパースペース燃料が完成。規則違反を犯してテストを成功させたバズが22年ぶりに帰還すると、惑星では謎の存在・ザーグが送り込んだロボットがコロニーを破壊しようとしていた。
バズはコロニー外にいたアリーシャの孫娘・イジーや、新たな仲間と共にザーグの宇宙船の機能を停止させようとする。一方、ザーグはなぜかバズのことを知っており、彼の持つハイパースペース燃料を狙っていて…と、物語は惑星を舞台にしたバズたちとザーグ軍との戦いとなっていく。ザーグと言えばバズの宿敵キャラとして「トイ・ストーリー2」(1999年)にも出てきた。ここではザーグはバズの“父親”と名乗っていたが、本作でも衝撃的な正体を見せてくれる。
ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社