医師?死神? 野間口徹の演技に注目
野間口は、鶴見演じるサラリーマン・高村にステージ4のスキルス性胃がんを告知する医師・門司の役で登場。
動揺する高村の気持ちを表すかのように、アップになった門司の顔が少しゆがむ演出も恐かったが、野間口の医師の冷静さを表現しているともいえる淡々とした口調と無表情さも真に迫っていた。
高村が家族にきちんと伝えようと覚悟した矢先、病院から手違いがあったとの連絡が。門司からレントゲン技師が同じ苗字の患者と間違えたと言われた高村は、がんではなかったことを喜び、笑顔を見せた。そして、「今の先生、なんだか仏様に見えます。昨日とは別の人みたいです」と言った。
「昨日はどう見えていたんですか?」と返した門司に高村が言いよどんでいると、門司は「死神?」と問い掛け、高村は「そうですね…」と苦笑いした。
そんな物語の結末は、高村の息子も健康診断で手違いがあったと呼び出され、高村と入れ替わるように門司の部屋に入っていくという展開に。門司が告げた“死神”が悲しく響く、つらい物語だった。
犯人役も多く務める野間口だけに、登場してすぐに不穏な空気を醸し出していた。視聴者からは「野間口さんが、こわいよ…」「野間口さんの本領発揮やね」といった声が上がったが、何かあるのではと思わせる演技は、“意外な結末”へと導く役にぴったりだった。
次回、10月6日(木)の第3週のショートドラマは、野村周平、武田玲奈出演の「サプライズな贈り物」と、前川泰之出演の「密室ゲーム」をオンエア。
◆文=ザテレビジョンドラマ部